BIGBOSSも大興奮! 日本ハムのコディ・ポンセ投手(28)が、ソフトバンク23回戦(札幌ドーム)で、プロ野球史上87人目、通算98度目のノーヒットノーランを達成した。

球団の外国人選手では初。球界で1シーズンに達成者5人は1940年に並ぶ最多記録だ。来日1年目助っ人の快投に新庄剛志監督(50)も冗舌。歴史的白星でチームの連敗が8で止まった。

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本拠地デビュー戦で偉業をやってのけた新助っ人に、BIGBOSSは興奮を抑えられなかった。日本ハムの“投げるポンセ”が、球団の外国人投手で初めて無安打無得点を達成。来日最多の113球を投げきり、許した走者は2四死球の2人だけ。ツーシームで4つ、カットボールで2つの内野ゴロを積み上げ、9回1死一塁、最後も今宮を内角ツーシームで遊併殺。「やっちゃいました」と照れる右腕の姿に、新庄監督は「自分の子どもが達成したかのような、うれしい気持ちになりましたね。子ども、いないけど(笑い)」。ノリツッコミで大喜びだ。

ベンチでは現役時代にも味わったことのない緊張感に襲われた。あえて「ノーヒットノーラン、いくんちゃう?」とコーチ陣に言いまくった。「口に出すと出来ないというけれど、オレは逆」と“言霊(ことだま)”を信じた。しまいには、選手交代を告げた際に球審にまで「今日(無安打無得点)します?」と無邪気に尋ねて困らせる始末。「なんなら、お願いしようかと思ったもん。『(ストライクゾーンの)幅、広くお願いします!』って」。9回は先頭打者から6球連続ボール判定。BIGBOSSは、祈るような気持ちだった。

初めて踏む札幌ドームのマウンドに適応し、記録的な勝利を手にしたポンセは「ホームのファンに応援してもらっていることが、パフォーマンスに大きく影響したと思う」と感謝した。前日までドロ沼8連敗。ミスの多い展開に、前日は「反抗期かな?」と、心配していたBIGBOSSだが、一転して痛快な快挙達成に「そういう選手と一緒にユニホームを着られて、誇りに思います」とたたえつつ、次回登板については「中継ぎでいきます」と、真偽不明の仰天発言。歴史的な1日を“新庄節”で締めた。【中島宙恵】

▽コディ・ポンセ

◆生まれ 1994年4月25日、米カリフォルニア州ポモナ。

◆ドラフト カリフォルニア・ポリテクニック州立大ポモナ校から15年2巡目(全体55位)でブルワーズ入団。

◆メジャー 19年7月にパイレーツへ移籍し、20年8月初昇格。メジャー通算20試合で1勝7敗、防御率5・86。

◆米国代表 19年プレミア12に出場。3位決定戦(対メキシコ)でチームは敗れたが、先発で5回無失点の好投。通算3試合1勝1敗、防御率2・03。

◆日本球界 21年12月に1年契約で日本ハム入団。今季推定年俸1億円。背番号45。

◆サイズ・投打 198センチ、116キロ。右投げ右打ち。

▼ポンセが6月18日山本(オリックス)以来、プロ野球87人、98度目のノーヒットノーランを達成した。日本ハムでは95年西崎以来6人目。外国人投手は65年バッキー(阪神)85年郭泰源(西武)95年ブロス(ヤクルト)00年バンチ(中日)とエルビラ(近鉄)06年ガトームソン(ヤクルト)に次いで2リーグ制後7人目(バッキー、ガトームソン以外は来日1年目)。これで今季のノーヒットノーランは4月10日佐々木朗(ロッテ)5月11日東浜(ソフトバンク)6月7日今永(DeNA)山本に次ぎ5人目で、1リーグ時代の40年に並ぶシーズン最多人数となった。今永は交流戦で記録しており、5度すべてパ・リーグの球団がノーヒットを食らっている。

▼日本ハムは8連敗中の最下位で、ソフトバンクは首位。最下位球団の投手が首位相手に達成は、00年エルビラ(近鉄)が西武戦で記録して以来、22年ぶり。チーム7連敗中だった66年佐々木(大洋)が完全試合で連敗を止めているが、ノーヒットでチーム8連敗以上を止めたのは初めて。

○…野手最年長の木村が貴重な決勝打を放った。1回2死一、三塁で先制の左前適時打。7月13日楽天戦の1号3ラン以来1カ月半ぶりの打点で、連敗を止める大きな一打となった。7月下旬に新型コロナで一時離脱。復帰後初スタメンで結果を出し「連敗していたし、何とか勝ちにつながる結果を出したいと打席に入った。来た球を強くスイングしようとした結果が、タイムリーになった」と振り返った。

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