「雨柳さん」こと阪神青柳晃洋投手(28)が、雨中のマウンドで復活の投球を見せた。8月直近3戦連続で勝てない状況が続き、この試合に覚悟を決めていた。「今回はダメならファーム落ちるだけという意識で投げた。気持ちの入った初回かなと思います」。立ち上がりに先頭の大盛、野間、西川を気迫の投球で3者連続空振り三振。青柳対策で1番から左打者7人並べた相手打線に7回を4安打無失点。「今日はある程度投げられてチームの勝利に貢献できたと思う」。復活への手応えをつかんだ114球だった。

打撃ではプロ初のマルチ安打で上位打線につないだ。納得した投球を終え、ベンチで見守る中、8回の大山のV弾と勝利を誰よりもかみしめていた。「悠輔がホームラン打った後に『ヤギさんすみません』って言ってきたけど、そんなの気にせず、チームが勝ってくれたのでうれしかった」と会心の笑顔だった。

この日は雨柳さんパワーがさく裂。試合直前に雨が降り、試合開始が見合わされた。雨男で知られる右腕は自らを指さし、苦笑い。「みんな僕のせいにしていたので、僕のせいじゃないでしょ! って(笑い)」。開始が45分遅れても慌てない投球で、勝利の流れをつくった。

勝敗つかず自己最多タイの13勝目はお預けとなったが、今季は甲子園で8試合負けなしの5勝。本拠地不敗を継続した。7試合ぶりに無失点で投球を終え、防御率はリーグトップの1・61。苦戦続きの広島相手にスキを見せなかった。【三宅ひとみ】

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