先発した阪神西勇輝投手(31)が7回6安打無失点と好投。しかし、2年ぶりの2桁勝利はお預けとなった。

巨人戦は今季3戦目で、全24イニング無失点。キラーぶりを遺憾なく発揮したが、打線の援護に恵まれなかった。球団を通じ「初回から最後まで(坂本)誠志郎のリードを信じて投げ切ることができました。バックの守備にも助けられテンポ良く投げることができました」とコメントを残した。

序盤のピンチを乗り越え、勢いに乗った。初回、2死から丸に左中間への二塁打を浴び、いきなり得点圏に走者を背負ったが、2死一、二塁から岡本和をスライダーで空振り三振に斬った。2、3回は連続の3者凡退に片付け、まずまずの立ち上がりをみせた。

小雨が降り出した4回に、最大のピンチを迎えた。両チーム0行進が続く中、2死から岡本和、若林、吉川に3連打を許し、満塁で打席には大城。徹底して内角と低めを突き、フルカウントからの7球目だ。外角へ逃げていくボールでゴロを打たせ、二遊間の打球を遊撃中野が華麗に処理。アウトを見届けた西勇は右拳で渾身(こんしん)のガッツポーズを決め、激しくグラブをたたいて喜んだ。

5回は1死から坂本に右前打を許し、2死一塁から丸に中前打を浴びた。三塁進塁を狙った坂本を中堅近本がワンバウンドの好返球で刺し、窮地を脱した。6、7回は難なく3人で料理。味方打線の援護を待ったが、7回裏の攻撃で代打を送られ、交代となった。

前回8月26日の中日戦(バンテリンドーム)では右中指の爪を負傷して3回で降板したが、患部は問題ない模様。防御率は2.09まで下げ、依然として青柳に次ぐリーグ2位。自身初の1点台も視界に捉えている。今度こそ、三度目の正直で10勝目を奪ってみせる。【古財稜明】

○…湯浅が節目の50試合登板で完全救援だ。両軍無得点の8回に登板。先頭坂本をフォークで三ゴロに仕留め、ポランコも打ち気をそらし、一ゴロに抑えた。丸にも速球を見せず、フォークで右飛。「上位打線でしたが、チームにいい流れを持ってこようという気持ちでマウンドに上がった。しっかり3人でイニングを終えられてよかった」。3者凡退の直後、2点先制した。7月2日中日戦から19回連続無失点。2カ月、点を取られていない。

▽阪神浜地(11回に登板し2死二塁のピンチをつくるも無失点)「1点もやれない場面だったので、まずは0点で抑えることができてよかった」

▼西勇が今季巨人戦3試合に登板し、24イニング無失点。阪神の投手がこのカードで年間20イニング以上を投げ失点ゼロは、平成以降(89年以降)では初となった。

【関連記事】阪神ニュース一覧>>