今秋ドラフト候補が、精密機械のような制球力でスコアボードにゼロを並べた。富士大（岩手）の最速150キロ右腕、金村尚真投手（4年＝岡山学芸館）がリーグ戦通算24勝目を挙げた。八戸学院大（青森）戦に先発し、7回9安打無失点、1死球で10奪三振と力投。打者30人との対戦でカウントが2ボールになったのは4度、3ボールは2度のみと、ストライク先行で相手を苦しめた。今秋リーグ戦で自身3連勝。防御率も0・00をキープした。

金村は9安打を許しながらも無失点で粘った。初回2死三塁、相手4番に直球を芯で捉えられたが、山城裕飛外野手（4年＝知念）が中飛をダイビングキャッチ。2回2死一、三塁のピンチでも中飛に切り抜け、得点を許さなかった。3回には先頭に安打を浴びるも、後続を見逃し、空振り、空振りと3者連続三振。7回には無死一、二塁としたが、後続を遊飛、空振り三振、右飛で封じた。

リーグ戦では昨秋が防御率0・39、今春が同0・91と抜群の安定感を誇る。6月の全日本大学野球選手権では、初戦の大商大（関西6大学）戦を1－2で惜敗も、延長10回を2失点（自責1）と好投し、視察に訪れた各球団のスカウトに、その存在をアピールしていた。

富士大は松尾翼内野手（3年＝作新学院）の3ランなどで八戸学院大を7－0の7回コールドで下して、無傷の5連勝。5季連続優勝へ視界は良好だ。