阪神大学野球秋季リーグが3日、ほっともっとフィールド神戸で開幕した。

創部60年で初の1部昇格を果たした大阪電通大が、3季連続Vの王者・天理大に4ー1で快勝。左肩故障明けのエース・江本裕輝投手(3年=枚方津田)が、今秋ドラフト候補の天理大・友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)を4打数無安打に抑えるなど8回途中1失点の好投。昨年11月まで直接指導を受けていた現阪神・江草仁貴2軍投手コーチ(42)への恩返しを果たした。

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“新参者”の勢いがそのままV本命候補を押し切った。初戦白星発進を演出したのは春のリーグ戦で3勝するも、防御率が4点台と不調だった左腕・江本だ。この日は序盤から自慢の直球とカットボールを効果的に駆使し、天理の強力打線を翻弄(ほんろう)した。3回まで完全投球。3点リードで迎えた6回1死満塁のピンチには、プロ注目の春季リーグMVP友杉をショートへの併殺打に封じてみせた。

「大事なところでチェンジアップを使えたのがよかったです。(友杉は春のリーグで)一番ヒットを打っている打者でスイングがとにかく強いですから」。実は8月に入って左肩を故障、1週間のノースロー調整を余儀なくされ、オープン戦でも満足に投げられなかった。しかし、フタを開けてみれば1部という初舞台で見事な大仕事。昨年まで投手コーチとして指導を受けてきた阪神江草2軍投手コーチの「四球を少なくして3球で追い込めるように」との教えも「しっかり試合を作っていくことを(今後も)心がけたい」と継続を誓った。

天理のエース・真城翔大投手(3年=高知商)から6回に千金の2ランで援護した斎藤凜内野手(3年=福井工大福井)は「自分らよりも強いチームしかいないんで一戦も気を抜くことができない」とキッパリ。清田和正監督(52)は「選手には普通なら楽勝で負けるよね、とも話してたけど挑戦者の気持ちで頑張れた」。今秋、ダークホースとなるか、注目だ。【岩崎正範】