今季限りでの現役引退を発表した中日福留孝介外野手(45)が、古巣の本拠地甲子園に別れを告げた。

13年から8年間在籍した阪神との最後の2連戦に同行。出場選手登録はされていないが、試合後に立浪監督、ナインらとともにベンチを出てレフトスタンド方向へ整列。中日ファンからの温かい拍手に帽子を取って深々とおじぎを返した。

その後、福留はマウンドに移動。阪神近本、岩貞、坂本から花束が贈られると、ビジョンに「中日ドラゴンズ福留孝介選手 24年間お疲れ様でした」と紹介された。阪神時代に使用していた登場曲が流れ、阪神ファンが陣取る一塁側、アルプス、右翼スタンド方向へあいさつ。ベンチに戻ろうとするとトラッキーが右翼へ誘導し、再度アルプス席、右翼外野席、左翼スタンドへ深々とあいさつした。ユニホームの色は違うが、現役最後の姿を虎ファンの目に焼き付けた。

福留は、「本当にうれしいです。ああやってスタンド一体で送り出していただきうれしく、ファンの皆さまに感謝の一言です。甲子園球場は世界一のグラウンドだと思います。ここで、プレーできた事をうれしく思いますし、素晴らしい野球人生のに1つだったと思います。こうしてタイガースの選手の皆さんが、ヒーローインタビューなどを待って、自分のことを優先していただき感謝の気持ちでいっぱいです。タイガースの選手、阪神球団の皆さま、お礼申し上げます」と古巣からのセレモニーに感謝の言葉を並べた。

試合前練習では、来年3月のWBCで侍ジャパンの指揮を執る栗山英樹監督(61)ら代表首脳陣にあいさつ。2日連続で行ったフリー打撃では22スイング中に2本の柵越えを放ち、スタンドインのたびに阪神ファンから大きな拍手が鳴り響いた。福留は最後のフリー打撃について、「ここも慣れ親しんだグラウンドなので、ここに打てばスタンドに入る! という場所に打ったんですけどね。こういう機会をもらってありがたい気持ちでした」と、柵越え2本止まりで終わった打撃練習に苦笑いした。

中日球団主催の引退セレモニーは、23日からの本拠地最終カードの巨人3連戦(バンテリンドーム)で行われる。

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