「村神様」の周囲が熱狂している。ヤクルト村上宗隆内野手(22)のシーズン55本塁打到達から一夜明けた14日、神宮周辺では村上グッズが完売するなどの盛り上がりを見せた。トップスポンサーを務めるオープンハウス(本社・東京都渋谷区)は村上への“ご褒美”「1億円の家」にさらなるボーナスを検討。日本記録60発までのカウントダウンに突入した。試合のなかったチームは2位DeNAが敗れたため、優勝マジックは10に。最短20日にも2年連続のリーグ優勝が決まる。

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村上の快挙がスポンサーの心を動かした。オープンハウスグループ広報宣伝部の松岡倫代係長は明かす。「私どもも日本記録まで一緒に応援できればと思っていますので、予定ではありますけど、プラスアルファで、賞をパワーアップできればと考えています」。

同社は「特別ホームラン賞」として、村上が神宮で56本目以降の本塁打を対象ゾーンに放った場合「好立地の東京の家」(上限税込み1億円)を贈呈すると発表している。一軒家でもマンションでもOK。資金を追加すればより豪邸にすることも可能という太っ腹企画は、もとは「王貞治超え」を祈念した賞だった。

だが村上は13日の巨人戦(神宮)で2発打ち、本拠地ゲームを7試合残して王氏の日本選手最多記録に並んだ。16日からはビジターが6試合続く。神宮に戻るころには60発に近づいている可能性が高い。同社も「50本の時から神宮には必ず広報の誰かが行って『KAMI METER』でホームランを数えています。打てば社内チャットでみんなで盛り上がっています」(松岡係長)とさらなる記録更新に期待。日本記録達成時の“ご褒美グレードアップ”も検討している。

村上はその「日本記録保持者」からもエールを送られた。13年にヤクルトで60本塁打を記録したウラディミール・バレンティン外野手(38)が、村上のインスタグラムに「60 ganbate(頑張って) my boy」とコメント。愛ある言葉に、若き大砲は「arigato respect for you」(ありがとう。敬意を込めて)と返した。

神宮軟式球場敷地内にあるオフィシャルグッズショップつば九郎店では、村上のレプリカユニホームがホーム用、ビジター用ともに全サイズ品切れ。ネットで受注を受け付けていた「史上最年少50号本塁打達成記念タオル」を店頭に並べれば即日完売し、13日に再入荷した300枚も売り切れた。村上はこの日、練習もオフだったが、本人不在でも神宮は村上フィーバーで熱かった。【鎌田良美】