ソフトバンクが「荷物遅延」のアクシデントに負けず、つながりのある見事な攻撃を見せた。まずは2回1死から、デスパイネ、牧原大、正木が連打で満塁。ここで中村晃が粘ってきっちり犠飛を放ち、先制点をもたらした。

3回は1死から三森が三塁打。続く今宮が右翼線への適時二塁打を打ち「最低限外野フライという気持ちで打席に入りました」。さらに4番の柳田が左翼スタンドへ19号2ランをたたき込んで「中村晃選手からアドバイスをもらって、いい感覚で打つことができました」と笑顔。この回3点を加え、序盤から試合の主導権を握った。

福岡から仙台への移動試合だったが、選手たちと別便で運ばれていた道具類が、空港での検査トラブルのため、到着が遅れた。優勝争いまっただ中での思わぬ事態だったが、藤本監督は「しょうがないよね。疲れてるからちょうどいいんじゃないですか。みんなマッサージとかできてるんで、いいようにとらえて。なんでもプラス思考」と前向きに話した。

選手たちは通常の練習開始予定より約1時間遅く、午後4時半頃からウオーミングアップを開始。その後はキャッチボールやシートノックを行った。打撃練習はフリー打撃どころかティー打撃もできなかったが、そのハンディを感じさせない軽快な攻撃だった。

この日は2年前の20年に、チームのコンディショニング担当を務めていた川村隆史さんが、クモ膜下出血のため55歳で亡くなった命日だった。ベンチには「背番号01」のユニホームを掲げ、戦った。藤本監督は「川村くんが休ませてくれたかもわからないね。連戦でみんな疲れてるからね。荷物遅らせたろうという感じで、休ませてくれたかもわからないよ」と、ハプニングを笑い飛ばしていた。