西武内海哲也投手(40)の引退セレモニーが19日楽天23回戦(ベルーナドーム)の後に行われた。

8分30秒。マイクを握った。支えてくれた人への感謝、今の思い。スピーチの言葉1つ1つの感情を込めた。

「まず初めに、このような舞台を用意していただいた埼玉西武ライオンズ球団関係者の皆様、監督、コーチ、選手の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。そしてお付き合い頂きました東北楽天ゴールデンイーグルスの皆様、そして最後まで球場で応援して頂いたファンの皆様、ありがとうございます」

「私、内海哲也はこのシーズン最後に現役を引退します。振り返れば、祖父もプレーしたジャイアンツから、プロ野球人生がスタートしました。入団会見の日、亡き祖父を思い出すかのように、ユニホームに手を触れ、涙を流した祖母の姿は今でも忘れられません」

「現役生活19年間。堀内監督、原監督、高橋監督、辻監督のもとプレーをさせて頂きました。堀内監督にはチャンスを頂き、原監督には責任を持たせていただき、高橋監督には再びはい上がるチャンスを頂き、辻監督には新たな挑戦、経験をさせて頂きました。今季、達成した2000投球回、135個の勝ち星は、僕を使っていただいた4人の監督のおかげです。ありがとうございました」

「入団当初はプロ野球という世界のレベルの高さに圧倒され、無理かもしれないと思った時期もありましたが、諦めず、泥臭く、自分らしく頑張ってきました。それを支えてくれたのが、今まで指導していただいたコーチの方々。厳しくも、愛情を持って、接してくださった先輩方。ともに高みを目指し、切磋琢磨(せっさたくま)した同世代の仲間たち。僕を慕ってくれたかわいい後輩たち。僕を支えてくれた全ての方々のおかげでここまでプレーすることができました。ありがとうございました」

「その中でも、一番近くで支えてくれた家族に感謝の思いを伝えさせてください。『おかん、若い頃はいろいろ大変なこともありました。それでも野球をやらせてくれ、丈夫な体に産んでくれたおかげで、ここまで野球をすることができました。ありがとうございました』。『妻聡子、共に笑い、共に泣き、子どもたちが小さい時は特に大変だったと思います。それでも、いつも側で支えてくれ、一生懸命サポートしてくれました。感謝しかありません。あなたがいなければ、ここまで頑張って、こられなかったと思います。ありがとうございました』。『4人の子どもたち、瑛太、旺太、爽太、琴菜、つらく、苦しく、心が折れそうになった時、あなたたちの存在に救われ、『パパ、頑張れ!』、その言葉で何度も奮い立ち、マウンドに立つことができました。ありがとう。これからはあなたたちの番です。それぞれの夢に向かって、1日を大切に頑張ってください。応援してます』」。

「そして炭谷選手。僕がライオンズに移籍した際、「すみません」と謝ってくれましたが、この4年間で本当に素晴らしい経験をする事ができました。ありがとうございました。でも、東京ドームで打たれたホームランは忘れません。まだまだ野球人生は続くと思います。これからも頑張ってください。応援してます」

「ライオンズファンの皆様。期待に応えられず、申し訳ありませんでした。それでも、いつも温かい声援や拍手を頂き、どれだけ勇気づけられたか、分かりません。ありがとうございました。4年間のほとんどの時間を、隣にあるカーミニークフィールドで、若い選手と一緒に頑張ってきました。いきのいい、将来、楽しみな選手がたくさんいます。しかし、近くて遠いこの場所は、簡単に来ることができる場所ではありません。僕自身、若い頃からがむしゃらに練習し、今も変わらず、19年間やり抜いたつもりです。練習は嘘をつきません。それは自分自身、身をもって、感じたことです。ファンの皆様、この壁を乗り越え、1軍の舞台で活躍する選手たちを楽しみに待っていてください」

「ジャイアンツファンの皆様、恵まれた力から始まるあの応援歌は僕の宝物です。昨年の交流戦、東京ドームで投げた際の、マウンドに上がる時の声援、拍手は一生忘れません。ライオンズに移籍しても変わらず応援していただき、本当にありがとうございました」

「最後になりますが、ライオンズは今、優勝に向けて、チーム一丸となり全力で戦っています。僕も最後の最後まで準備します。ライオンズファンの皆様、一緒に戦っていきましょう。本日は、本当にありがとうございました」

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