悲劇のBクラス転落だ。阪神は2点リードの9回、守護神に復帰した岩崎優投手(31)を投入したが3失点の大乱調。まさかの逆転負けを喫した。8回に陽川の1発、原口の適時打などで逆転し、勝利を確信していたファンは悲鳴とため息の嵐。今季70敗目で矢野体制で初めてシーズン勝ち越しが消滅し、24日にもCS進出が消える崖っぷちに追い込まれた。21日と23日はライバル広島との直接対決。絶対に負けられない。

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勝利のムードに包まれた甲子園が、一瞬で地獄に突き落とされた。1点ビハインドの8回、代打陽川の同点弾、原口、佐藤輝のタイムリーで3点をたたき出し、2点の勝ち越しを決めた直後の9回。あれよあれよとDeNAに3点が入った。まさかの逆転負けでこの日巨人に追い越され、8月18日以来のBクラスとなる4位に転落。守護神に復帰した岩崎が大誤算だった。矢野監督は「逃げたわけじゃないんで。任すしかなかったんで。それは受け止めています」と唇をかんだ。

終盤の逆転劇で完全に流れは阪神に傾き、誰もが勝利を確信した9回。岩崎が先頭宮崎、代打大田に連打を浴び不穏な空気が漂った。1死一、三塁から桑原に右前適時打を許して1点差。なおも2死一、二塁から佐野にスライダーを右前に運ばれてあっさり追いつかれた。湯浅も残っていたが、矢野監督は続投を選択。だが、牧を四球で歩かせると、満塁から楠本に二塁と右翼の間に落とされ、勝ち越し点を献上した。

岩崎は6敗目。不振を経て9月中旬にクローザーに返り咲き、14日の広島戦で8月5日以来のセーブを挙げたばかりでの悪夢だった。Aクラス死守へ矢野監督も前日、「全部勝つつもり」と残り試合の全勝を誓って臨んだ最初のDeNA戦。大きなダメージの残る痛恨の3連敗を喫し、矢野体制4年目で初めてシーズン勝ち越しもなくなった。指揮官は懸命に前を向き、言葉を続けた。

「もちろんこの負けは痛いし、悔しいし、流れ的にも大きな1敗になるかもしれない。でも、何か決まったわけでもない。逆転できるチャンスがあると信じて戦っていくしかない。その思いをぶつけていきます」

残り5試合。CS進出の消滅が最短24日に迫ってきた。そんな中、21日のホーム、23日のビジターで、同率で並ぶ4位広島との直接対決を迎える。連敗すれば一気の終戦モード。だが連勝すれば広島の戦意もそいで一気に視界が開ける。今季は8勝13敗2分けと大きく負け越しているが、後半戦は6勝2敗だ。自力CSも消えているが、勝つしかない。勝ち続けるしか道は開けない。猛虎の意地を見せる時だ。【古財稜明】

▼青柳は8月2日巨人戦に勝って以降、7試合勝ちなしとなった。これは19年と20年に並び、自身最長。

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