新人王候補のオリックス阿部翔太投手(29)がフル回転宣言だ。体調不良の平野佳がいないブルペンの中心的存在。残り5試合での逆転Vへ「任されたらどんな場面でも勝ちにこだわって全力で腕を振る」と自らにムチを入れた。

昨年は右肩痛で優勝に貢献できなかったが、今年は42試合で驚異の防御率0・64。代役抑えからセットアッパーまでこなす。大阪市大正区出身で、本拠地の京セラドーム大阪から実家まで徒歩10分という超地元選手だ。「この1年、親や親戚が京セラに来て楽しんでくれている。小さい頃からドームで試合を見ていたし、その場所で自分が投げられているのは本当にやりがいがある。特別な思いは結構あります」と、地元の応援を原動力にしている。

2年目ながら、同じ中継ぎ右腕の西武水上らとの新人王争いにも加わる。「正直、個人タイトルは意識していない。優勝争いでいい結果を残せば、後からついてくるのかも」。チームは首位ソフトバンクとゲーム差なし。投手の体調を重視してきた中嶋監督はリミッター解除を宣言している。28歳でプロ入りし、故郷に錦を飾った苦労人も、ラストスパートをかける。【柏原誠】

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