ソフトバンク森唯斗投手(30)が、優勝争い最終盤のキーマンになる。開幕を守護神として迎えた右腕は、16日楽天戦でプロ初先発するなど、あらゆる役割でフル回転中。森山良二投手コーチ(59)は、残り9試合も「四刀流」として、経験豊富な右腕に期待を寄せた。

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11連戦を終え、札幌からの移動後にペイペイドームで投手練習を見守った森山コーチは、優勝へのキーマンとして森の名前を挙げた。「新しい意味でジョーカーは(森)唯斗なのかなと思っている。本人は回またぎも、長い回も投げる気満々でいる。後ろに当てはめていくこともある。申し訳ないけど、いろんなところで。便利屋じゃないですよ。ジョーカーとして持っていきたい」と期待を寄せた。

森は今季開幕時には抑えを務めていたが、不調で4月中旬に2軍落ち。7月頭に再昇格も、下旬に新型コロナ陽性となり離脱していた。8月21日に再登録されてからは、さまざまなポジションでフル回転し、チームを救ってきた。

今月13日西武戦では、先発で3回を投げた奥村の2番手として、8年ぶりに3イニングを無失点。ロングリリーフに成功し、白星をつかんだ。同16日楽天戦ではプロ9年目にして初先発。3回1失点でショートスターターをこなした。

19日オリックス戦では、先発東浜が打ち込まれ、3回無死一、三塁のピンチで登場。三振と併殺打で火消しした。モイネロが左肩の違和感で不在だった20日の日本ハム戦では、勝利の方程式の一角として2点リードの7回にマウンドに上がった。

全く違った役割での「四刀流」で、まさに獅子奮迅の働きを見せている。森山コーチは「球の強さも自分で手応えを感じていると思うし、あいつの場合はコントロールが乱れることはないので。安心感はありますよね」と、経験豊富な右腕の働きに目を細めた。

2位オリックスと0差で並んだまま、シーズンは残り9試合。「新ジョーカー」の森が、混戦を断ち切る。【山本大地】

○…千賀がエースの投球で、優勝をたぐり寄せる。次回は25日ロッテ戦(ペイペイドーム)に先発する見込み。このままいけば、中6日で今季最終戦の10月2日ロッテ戦(ZOZOマリン)がシーズン最終登板となる可能性がある。優勝争いは最後までもつれそうな状況で「自分のやれることを精いっぱいやるだけ。そのためにしっかり準備したい」と冷静に意気込んだ。

○…左肩の違和感で20日の日本ハム戦を欠場したモイネロが、23日ロッテ戦(ペイペイドーム)で復帰できる見込みとなった。森山投手コーチは「そんなに心配はしてないです。昨日(20日)外して、今日と明日あるので、次のゲームから入れるという方向で無理をさせなかった」と説明した。

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