いよいよ優勝マジック4だ。ヤクルト村上宗隆内野手(22)の10打席ぶりの安打が、逆転勝利を呼び込んだ。中日24回戦(バンテリンドーム)の4回に右前打でチャンスメーク。ドミンゴ・サンタナ外野手(30)の逆転15号3ランにつなげた。日本選手最多となる56号本塁打は、22日からの本拠地4連戦に持ち越し。2位DeNAが敗れたため、最短で23日にも2年連続の胴上げが実現する。

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やっと出た安打で、口火を切った。村上は4回先頭で、この日2度目の打席に立った。外角低めに続いた中日松葉の2球目、緩いカーブを引っ張る。一、二塁間を抜けた打球は、自身3試合、10打席ぶりの安打となった。

普段は走者をかえす4番が起点となった。打棒に加え、両リーグ断トツの113四球と高い出塁率を誇る。高津監督は「ムネ(村上)は塁に出ることが多い。ムネをどうやって進めるか、ホームインさせるかっていうのが5番以降の打者にかかっている」と話す。しぶとく運んだ右前打に、応えたのは助っ人たちだった。

無死一塁からオスナがフェンス直撃の中越え二塁打で好機を拡大。6試合ぶりの6番に打順を上げたサンタナが、広いバンテリンドームの右中間席へ15号3ランを放り込んだ。「点を取られた直後にチャンスで回ってきたので、何とか取り返したかった。久しぶりのホームラン、気持ちいい」と、2点ビハインドの劣勢をひっくり返した。

日本中が注目している村上の56号は、22日以降におあずけとなった。5試合連続ノーアーチは、8月3日中日戦から同10日広島戦以来。前夜に高津監督が「打てない時もあるでしょうね」と言ったように、大飛球は鳴りをひそめているが、結果的に本拠地神宮での記録更新となりそうだ。

2位DeNAが巨人に敗れ、リーグ2連覇へのマジックは6から4に減った。指揮官は「優勝したいとかじゃなくて、やっぱり勝ちたいですね。意味は一緒かもしれないけども。ホームで、神宮で勝ちたいなと思いますね」。最短で優勝は23日のDeNA戦になる。これまで幾多の勝利打点を刻んできた村上にとって、右前打は1発でもなければ、打点もつかない。それでも確実にチームに貢献した“久々打”だった。【鎌田良美】

▼ヤクルトの優勝マジックナンバーは4。早ければ明日23日にも、92、93年以来となる球団史上2度目のリーグ連覇を達成する。23日に優勝が決まる条件は、ヤクルトが22日中日戦、23日DeNA戦に○○の場合、DeNAが22日巨人戦に△か●。ヤクルトが22日から△○の順でも、DeNAが22日●なら決まる。

▼村上が今季23度目の故意四球。ヤクルトでは95年オマリーに並ぶシーズン球団最多となった。故意四球のシーズン最多記録は74年王(巨人)の45。

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