阪神藤浪晋太郎投手(28)が3番手で5回から2イニングを無失点に抑え3勝目を挙げた。広島へ行きそうな試合の流れを断ち切り「あまり難しく考えずに(マウンドへ)。任された場面で、自分の仕事ができてよかった」と笑った。

絶対に負けられない試合で矢野監督は先発才木を3回1失点であきらめ継投策に入った。左が続く4回に2番手で左腕島本を投入するが松山に2ランを浴び2点差に。5回から「第2先発」でスタンバイしていた藤浪を投入した。いきなり先頭の代打羽月を四球で歩かせるが、あわてることなく、続く野間を146キロスプリットで空振り三振。2死後西川は155キロ直球で力のない左飛に仕留めた。6回も3つのアウトはすべて直球だった。「(中継ぎだと)直球が多くなるので」と、この日最速157キロの直球の割合を先発時より増やし、力で押し込んだ。

18日ヤクルト戦(甲子園)で先発し6回、96球で1失点負け投手から中4日、リリーフ登板は6月以来だったが、しっかり中継ぎ仕様に変更し、チームの4連敗ストップに貢献した。矢野監督も「晋太郎がいてくれてよかった。2イニングいってくれたから、そこで流れが止まった。晋太郎があそこで止めてくれたのが一番のポイント」と勝因に挙げた。

藤浪の熱投に続けとケラー、湯浅、岩崎の勝利の方程式もきっちり「0」でリレーした。藤浪の救援勝利は21年6月13日楽天戦以来。藤浪は「自分で勝ったようなウイニングボールでもないんで」と、この日が今季ラストだったマツダスタジアムの虎党に向かって投げ込んだ。残りは3試合。中3日で27日からヤクルトと2連戦で、さらに3日空けて10月2日ヤクルト戦となる。「準備は一応しています」とすべて投げる心づもりだ。藤浪が奇跡の逆転CS進出へのジョーカーとなる。【石橋隆雄】

○…阪神先発才木は3回4安打1失点でマウンドを降りた。初回に4点の援護をもらったが、その裏に1死から上本、西川の連打で1失点。2回、3回は走者を出すも無失点に抑えた。ベンチは早めの継投策を決断。今季8試合目で初めて5回を持たずの降板となった。20年の右肘手術から復活し、今季4勝の右腕は「こういう大事な試合で長いイニングを任せられるような投手になれるように頑張ります」と力を込めた。

▽阪神ケラー(7回に登板し、3者凡退の好投)「負けられない大事な試合なので、みんなで協力して絶対勝ちたいという思いだったよ。0点でつなぐことができてよかったね」