2位オリックスは宮城大弥投手(21)が誤算だった。自己最短の2回2/3で4失点KO。「大事なゲームなのに申し訳ないです…」と絞り出すしかなかった。

11勝左腕は2回に死球から2失点で先制された。3回も四球が絡んだ。プロ3年目で50試合目の節目。すべて先発を任されてきたが、5回を投げ切れなかったのは今年7月22日のソフトバンク戦(3回3失点)と今回の2度だけ。飛び抜けたゲームメーク能力を誇る宮城の乱調は、優勝争いの特異なムードを物語る。

3番手の本田も2四球から失点した。合計で9与四死球の投手陣に、中嶋監督は「重圧に負けちゃったのかな。最近は全然そういうことなく、攻めていたんだけど。重圧がかかる中で、しっかり腕を振らなきゃいけないが、それができなかった。経験と言われたら経験かもしれない」と険しい表情を見せた。

ソフトバンクと1ゲーム差は変わらないが、マジックを減らしてしまった。オリックスの最短優勝は10月1日になり、30日の本拠地最終戦での胴上げはかなわなくなった。その30日はエース山本で必勝を期す。

残り2試合。「選手に求めるものは」と聞かれた中嶋監督が力を込めた。「あと2つ、悔いなくやるしかない。自分の野球人生でこの先、ああいうことがあったなとしっかり覚えていかなきゃいけない。何が悪いとか、今日が悪いとか言っても始まらない」。連覇への挑戦は、いよいよ待ったなしだ。【柏原誠】