阪神青柳晃洋投手が自身8試合ぶりの勝ち星を挙げた。ハーラー単独トップで自己最多タイの13勝目だ。

6回6安打1失点。8月2日巨人戦以来、約2カ月ぶりの勝利にヒーローインタビューで「いやー、もうずっとしんどかったですね。何とか野手に打ってもらって、中継ぎに抑えてもらって、やっと勝つことができました」と、ホッとした表情を見せた。

日本選手新記録の56本塁打を狙うヤクルト村上にリベンジを決めた。初回は際どいコースを突いて四球を許すも、3回は外角低めのシンカーで二ゴロに、6回1死からは外角146キロで空振り三振。前回6日に甲子園で中越えの52号を許した相手を気迫でねじ伏せた。

「投手3冠」を手中に収めた。13勝で最高勝率のタイトルの条件をクリアし、防御率も2・05で1位をキープした。「(タイトルは)取れたらものすごくうれしいですし、何よりもチームの勝利に貢献できたのが一番です」と喜んだ。

エースの復活で2連勝を飾り、巨人と並ぶ3位に浮上。逆転CS進出へ望みをつないだ。矢野監督は「ちょっと(勝てない期間が)長すぎたけどね」と笑いつつ「12勝のまま止まるヤギより、苦しいけどもう1個いったというのは価値がある」とたたえた。残り2試合へ大きな勢いをもたらす勝利となった。【古財稜明】

▼青柳が13勝を挙げ、勝利、勝率、防御率の3部門でセ・リーグ単独1位となった。阪神の投手で同一年にこの3冠を獲得した投手は、過去に44年若林忠志(22勝、8割4分6厘、防御率1・56)03年井川慶(20勝、8割、防御率2・80)の2人だけ。青柳は3人目となるか。

▼勝率のタイトルは13勝以上が対象で、今季の青柳はこれを満たした。昨季の青柳は勝率6割8分4厘(13勝6敗)でタイトル獲得。このまま2年連続勝率1位となれば、阪神の投手では1リーグ時代の御園生崇男37年秋~38年春以来、84年ぶり2人目。青柳は昨季13勝で最多勝も獲得。2年連続で勝率1位&最多勝となれば、プロ野球史上初となる。なお山本(オリックス)も今季この2部門でパ・リーグ1位に立っており、両リーグで2投手が快挙そろい踏みの可能性も出てきた。

▼阪神は最短でCS進出が10月1日に決定する。条件は(1)~(3)をすべて満たした場合。(1)阪神が28日○(2)広島が29、30日に●●、●△、△△のいずれか(3)巨人が1日に●。

○…佐藤輝が自己最長タイとなる10試合連続安打を放った。2回1死の第1打席。ヤクルト高梨の135キロのフォークを右前に運び、チャンスメークした。2、3打席目では冷静に四球を選んだ。長打以外でも、相手投手にプレッシャーをかけるプレーを見せるなど、チーム勝利に貢献している。

○…高卒2年目の高寺が1-0の4回に加点した。1死満塁で高梨の直球を強振し、中犠飛で三走・近本が生還した。2戦連続の打点で先発青柳を援護し、「何とか食らいついて事を起こそうと思っていました。最低限ですが、チャンスの場面でチームに貢献する仕事ができて良かったです」と振り返った。

○…大山がキャリアハイをさらに更新する87打点目とした。2点リードの5回1死一、二塁。高梨の直球を捉え、左前適時打を放った。「3ボールからしっかり1球で捉えることができました。青柳さんが粘り強く投げているので、援護することができて良かったです」。23日の広島戦で20年の85打点を上回る86打点目を挙げた。残り2試合もチームを勝利に導く打点を積み重ねる。

○…湯浅が同学年の村上斬りで、無失点でバトンをつないだ。8回に登板し、2死から村上をこん身の154キロで空振り三振。「対戦するからに打たれたくない。追い込んでから狙って三振を取れたので、感覚良く投げられていた」。43ホールドポイントは中日ロドリゲスと並びリーグトップ。最優秀中継ぎのタイトルへ向けても残り2戦、フル稼働する。

○…高卒2年目の高寺が1-0の4回に加点した。1死満塁で高梨の直球を強振し、中犠飛で三走・近本が生還した。2戦連続の打点で先発青柳を援護し、「何とかか食らいついて事を起こそうと思っていました。最低限ですが、チャンスの場面でチームに貢献する仕事ができて良かったです」と振り返った。