ヤクルト坂口智隆外野手(38)が30日、神宮球場内で引退会見を行った。

冒頭、「今シーズン限りをもちまして私、坂口智隆は、現役を引退することを決断させていただきました」と報告。「ここ何年かはケガもありましたし、成績もふるわないことがあって覚悟しながらの1年、1年だった。体はまだ動きますし、まだある程度やれるんじゃないか、1、2年できるんじゃないかと思い始めた。試合に出たい、レギュラーを取りたいって思いでプロに入ってから20年間やってきたので、野球に対してそういう気持ちで向き合ってしまってるのは、違うんじゃないかなと。そういう思いで決断しました」と明かした。

神戸国際大付から02年ドラフト1巡目で近鉄に入団。「NPB最後の近鉄戦士」としても注目された。「プロ野球生活の始まりをつくってくれた球団でもある。いろんな人に、そういうふうに言っていただいて、背負わないといけない責任もあった。何とか1年でも(近鉄の)名前が表に出るように僕が頑張らないとと思ってやってきました」。

近鉄でプレーした選手はNPBからはいなくなるが、オリックス、ヤクルトでも同僚だった近藤一樹投手(39)は、独立リーグ香川でコーチ兼任として現役を続けている。「(引退を)報告させてもらった時に『こんちゃんはまだ、バリバリ投げててください』と言わせてもらいました。近藤さんが納得するまで投げ続けてほしい」とエールを送った。

オリックスでは11年に最多安打を獲得。08年から11年は4年連続でゴールデングラブ賞を獲得した。15年オフに退団し、ヤクルトに加入。昨年の日本シリーズ第2戦では、京セラドーム大阪で古巣オリックスを相手に先発出場して、安打も放った。「本当に感動したというか、自分でもびっくりするくらい、360度の方向から拍手をいただいて、そういうことって経験することがなかなかできない。頑張ってきてよかったなと思いました」。

オリックス時代を振り返っても、ヤクルト時代を振り返っても「仲間に恵まれました」と繰り返し、これまでの野球人生を「宝」と表現した。今後については「辞めるってなってもやっぱり野球は好きですし、ずっとずっと死ぬまで野球と関わっていたい。これから野球を見る時は、勉強のつもりで見ようと思います」と話した。

▽オリックス平野佳 素晴らしい能力を持った選手でしたし、野球外でもチームをもり立てたり、明るい雰囲気を常に作ってくれていた。僕から見てもかっこいいなあ、男前だなって思いました。

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