ドラフト2位ルーキーの森翔平投手(24)がシーズン最終戦の2日、中日戦(マツダスタジアム)に先発する。今季は9月7日の同戦にプロ初先発し、5回1失点でキャリア初勝利を挙げた。しかしその後、先発の機会はなく、ブルペン待機を強いられた。前日9月30日に5位が決定し、惜しくも消化試合となったシーズン143試合目。来季への期待を込めて背番号16が送り出される。

   ◇   ◇   ◇

最終戦のマウンド。チーム状況的には5位が確定し、消化試合となってしまった一戦。だが森にとっては大切な1試合だ。期待枠としての意味が大きい143試合目のマウンド。当然森もその意味を理解している。「投げられることに感謝して思い切って投げたいです。最終戦なので勝って終われるように」。与えられたマウンドで期待された投球を見せるべく、心を燃やす。

■大瀬良先発予定も、順位確定で変更

当初は大瀬良大地投手(31)が登板予定だったが順位が確定し佐々岡監督が「無理はさせない方針」と右腕の先発を避けた。9月7日の中日戦(バンテリンドーム)にプロ初先発で初勝利を挙げた左腕に白羽の矢が立った。指揮官は森の初勝利直後に「もう1回(先発で)チャンスがあるのではないか」と話していたが、1週間あたりの試合数が減ったことなどもあり、先発機会は回ってこなかった。

■来季のローテーション候補として期待

しかし前日9月30日にCSへの道が断たれ、先発枠が空いた。高橋投手コーチは「頑張ってほしいし来年のためではあると感じる。この何カ月かのスパンで考えると(先発は)森という選択になる」と起用の意図を説明。来季ローテーションの1つを担えるポテンシャルに期待を寄せ、決断した。

■中日根尾と対戦濃厚「打席は怖い」

相手先発は3学年後輩の根尾昂投手(22)が濃厚。今季投手転向した右腕がプロ初先発のマウンドに上がる。注目度も高い一戦になる。森自身は「球が速いので打席立つのは怖いですね」と笑いながらも「気にせず。自分の投球をできるように」と集中する。

■前回初先発で初勝利

前回先発時にプロ初勝利を挙げた際は「ありがたいことにLINE(ライン)とかはいっぱい来た」と多数の反響があったという。単なる消化試合ではない。来季へつながる重要な試金石となる1試合だ。4年連続Bクラスに沈んだ広島に希望の火をともすのは森の快投だ。【前山慎治】

【関連記事】広島ニュース一覧