<阪神-ヤクルト>◇2日◇甲子園

阪神2年目の栄枝裕貴捕手(24)が、プロ初打席で劇的な初安打を決めた。

9回。ヤクルトの守護神、マクガフを攻め立て1点差に迫り、なおも2死一、二塁。ベンチ入り野手は残り栄枝だけで、投手小林のところで代打起用された。これがプロ初出場初打席となった。

2ボール2ストライクから、「あそこで引いていたら男じゃないと思ったので、手を出していきました」と、最後は外角高め154キロ直球を右前打。二塁走者がかえり同点適時打となった。プロ初安打初打点。栄枝は一塁ベース上でガッツポーズし、記念球は一塁ベンチへと回収された。ベンチの仲間、スタンドのファンは総立ちで祝福した。

「ヤクルトのクローザーが相手なので、僕みたいなバッター相手には真っすぐで攻めてくると思ったので、それをなんとか打つことができて良かったです。これが初打席ですけど、今季はこれがラストチャンスだったので。本当に死ぬ気でじゃないですけど、気持ちで打ちました」と話した。

高知高、立命大を経て20年ドラフト4位で阪神に入団した「佐藤輝明世代」の1人。即戦力として期待されながらも昨年は故障に泣かされてきた。矢野監督の現役時代の背番号「39」を受け継ぐ将来の正捕手候補が、レギュラーシーズン最終戦の2死からチャンスをものにした。ベンチに帰る際には佐藤輝にお尻をたたかれ、先輩たちにはハイタッチで迎えられた。

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