今季限りで退任する阪神矢野燿大監督(53)のレギュラーシーズン最終戦は、ベンチ入り26人をすべて使い切る異例の全員野球で3-3の引き分けに終わった。143試合を戦い68勝71敗4分けの借金3。3位でクライマックスシリーズへ駒を進めた。

午後2時1分開始のデーゲームも4時間10分の大熱戦。日が暮れた中で矢野監督があいさつした。

「まずは今シーズンもコロナ禍の中、この甲子園には日本一の数の阪神タイガースファンのみなさんに来ていただきました。ビジター球場でも、テレビ、ラジオ、いろんなところでも日本一の応援をしていただけたことに心から感謝申し上げます」とファンに感謝した。

「昨日(1日)3位が決定した瞬間、僕の気持ちは『(勝率が)5割にも達していないな』『3位だったけど、喜んでいいのかな』そのような気持ちもありました。でも、僕の正直な気持ちはめちゃくちゃうれしかったです」と正直な思いをスタンドの虎党へ伝えた。

「開幕9連敗、借金最大16。そのような中でも選手があきらめず戦ってくれることにこのチームの成長を感じます」とナインをたたえた。

「僕は監督に就任してずっと夢と理想を掲げてきました。苦しくても楽しもうぜ、あきらめずに挑戦しようぜ、転んでも1歩前に出ようぜ、そういう理想と夢をずっと掲げてきました。そして、コーチ、スタッフもその思いを持って、選手の背中を押し選手たちもそれについてきてくれて、この3位を取れたと思います」。

「この選手たちが粘りに粘って取ってくれた3位。もう1度この甲子園に帰ってくるには、日本シリーズになります。僕の大好きな選手たちと、満員の甲子園で日本シリーズをやれることを思い描き、横浜スタジアム、神宮と僕たちの野球で挑戦してきます。今までもみなさんには本当に感謝、感謝です。でも、もう少し、僕たちと一緒に戦ってください。最後までどうぞよろしくお願いいたします」と、CSを突破し日本シリーズで甲子園に帰ってくることを誓った。

満員の右翼席からは、ベンチ奥へ矢野監督の姿が消えるまで「矢野コール」が鳴りやまなかった。

 

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