明治安田生命が今季最後の公式戦を勝利で終えた。入社1年目の最速152キロ右腕、高杉勝太郎投手(22=東海大)が7回途中2安打無四球の無失点。「仲間に勝ちを届けることが出来てよかった」と、ホッとした表情をみせた。

140キロ台の直球にチェンジアップ、スライダーなどを織り交ぜ、打たせて取った。この日で引退するチームメートもおり、「自分の投球よりも、今日で社会人野球を終える方たちのために頑張ろうと思って投げました」。思いを込めた投球で、三塁を踏ませなかった。

来年はドラフト解禁年を迎える。大学時もプロ志望だったが、4年春に思い通りの成績を残すことが出来ず、1度プロの夢を諦めた。それでも地元・札幌に戻ると家族、仲間、東海大札幌時代の指導者らから「プロで活躍する姿がみたい」と励ましの声をもらったという。高杉は「プロを諦めかけていた自分に、新たな光というか、『チャレンジしろ』と声をかけてもらってるのかなと思いました」と振り返る。明治安田生命でもう1度、プロの道を志すことを決意した。

周囲の支えへの感謝を胸に、さらなる成長を目指す。「社会人は即戦力が求められる。プロでも先発でゲームを作りたいです。上のステージを見据えた投球をしていきたい」。勝負の来年はエースとして、チームを都市対抗、日本選手権出場に導き、プロ入りの夢をかなえる。【阿部泰斉】