矢野虎最後のドラマが幕を開ける。今季限りで退任する阪神矢野燿大監督(53)が決戦の地・横浜スタジアムで決意を語った。

「(自身が監督)最後やと言って臨んでるシーズンで、選手たちが最後に粘って勝ち取ってくれたクライマックス。俺としては特別な気持ちというのはある。勝つというのはもちろん、積極的にとか、そういうことができればという思いは強い」。まさに矢野タイガースの集大成。明日なき戦いの始まりだ。

一戦必勝となる短期決戦のイメージは描いている。指揮官は「うちとしては接戦に持っていきながら、どう勝ちきるかっていうような継投になると思うんで。普段と違う継投になるかもしれない」と想定。DeNA初戦はエース青柳に先発を託すが、ブルペンには藤浪、西純をスタンバイさせる。前日会見では1番中野をキーマンに挙げた。「うちは足を使えるチーム」と、積極的なタクトでDeNA今永を攻略する。

ユニホームを脱ぐそのときは確実に近づいている。ナインは「矢野監督と少しでも長く」と口々に話す。指揮官はその話題に少し表情を緩めた。「この時間をみんなが作ってくれたんで、それこそ、俺は楽しみたいなと思ってる。それが日本シリーズまで続くと信じて。本当にいいチームなんで俺も長くやりたい」。07年に導入されたCSだが、3位からのCS突破は、10年ロッテと17年DeNAに限られる。さあ、感動のフィナーレへ。球団初のミラクル進撃がハマスタから始める。【桝井聡】

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