ロッテ吉井理人新監督(57)はまず、司会役に回った。

試合後の青空ミーティング。新指揮官に促されて話し始めたのは、トレーニングウエア姿の広畑敦也投手(24)だった。試合前にミッションを言い渡され、ネット裏で試合を眺めた。

あえて広畑を選んだのかは不明だが、社会人出身のルーキーは発信力が強く、物おじもしない。3時間少々、グラウンドを俯瞰(ふかん)して感じた課題を誠実に口にする。

勝利寸前の9回2死から崩れた種市、それに絡んでしまった外野の声掛け連係ミスでの失策。広畑のスピーチが終わると、吉井新監督は穏やかに種市に話を振る。「反論はある?」。あくまでも穏やかに、内心は悔しいであろう右腕をたてるように。ひと言ふた言、種市も謙虚に発した。

他の選手にも意見を求める。佐藤都が声を上げた。外野の連係ミスを冷静に、しっかりと指摘した。

「やっぱりみんなに考えてもらいたいんで。選手同士でしゃべるともっと頭に入ってくるし、ちょっとカーッとなって反論したくなるところを抑えて自分のことを振り返ったり、客観的に見られるようになると思うので。日本ハムの2軍コーチの時に投手陣でやってみて成果があったんで、全体でやってみようかなと」

自分のミスはどんな原因から起きたのか-。試合直後、当事者として冷静になりすぎない前に、第三者の客観視をとり入れる。

「今日の試合に関しては最後の1つのアウトとるの本当に難しいなとあらためて分かりましたし、選手たちが気持ちでパフォーマンスが変わっちゃうというのもよく分かったので。ここは若い選手がいるので、そういう子たちは自分の感情もうまくコントロールできるようになっていってくれればなと思いました」

来季、2軍ではこの取り組みを年間を通じて実施したいという意向も示した。この日、グラウンドを観戦者目線で眺めた広畑は、11日のオリックス戦(SOKKEN)に先発予定。前日の学びをどう生かすか。11日の試合後には、池田来翔内野手(22)が総括を担当する予定だ。【金子真仁】

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