広島が今季まで阪神でバッテリーコーチを務めた藤井彰人氏(46)をヘッドコーチとして招聘(しょうへい)することが16日、分かった。

新井貴浩新監督とは同学年で、阪神時代のチームメート。ともに上がったお立ち台で本拠地の甲子園を盛り上げた名コンビでもある。現役時代は3球団を渡り歩いた経験豊富な指導者が、新井体制の参謀役を託された。

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新指揮官を支える参謀役に、阪神時代ともに戦った盟友が指名された。広島は来季組閣で球団内外を問わず、新井監督と野球観が近い人選を進めてきた。その中で、阪神時代の11年から4年間ともにプレーした藤井氏の名が挙がった。現役時代は3球団を渡り歩き、野村監督や梨田監督ら現役時代に名捕手と呼ばれた指導者たちの下でプレーした経験や知識を持つ。新監督と野球観を共有するだけでなく、豊富な指導経験から新人監督をサポートする役割も期待される。

藤井氏は98年ドラフト2位で近鉄に入団。キャッチングや配球の妙に定評があり、エース岩隈とコンビを組んだ。近鉄から楽天を経て、10年オフにFAで阪神に移籍。温厚で明朗な人柄で、阪神では移籍した11年7月2日横浜戦(甲子園)で新井監督とともにお立ち台に上がり、そのやりとりが爆笑を誘った。ファンから「男前」のニックネームで愛された。

現役時は身長170センチと小柄ながら、通算17年で1073試合に出場した。現役を引退した翌16年は阪神球団に残り、BCリーグ福井でバッテリーコーチとして指導者修業を積んだ。17年から阪神のファーム育成コーチ、2軍バッテリーコーチを歴任。19年から1軍バッテリーコーチを務め、今季まで4年連続Aクラス入りに貢献した。15日に今季限りで阪神を退団することが発表され、招聘(しょうへい)することとなった。

コーチ人事を進められる中で、参謀役には他球団を知る人材の登用となった。若手育成や機動力再建と、新体制に求められる要求は高い。長中期的ビジョンも求められる新井新体制は、伝統の継承と革新的なチームづくりを目指していく。

◆藤井彰人(ふじい・あきひと)1976年(昭51)6月18日生まれ、大阪府出身。近大付-近大を経て98年ドラフト2位で近鉄入団。04年オフの近鉄・オリックス合併に伴い、分配ドラフトで楽天移籍。10年オフに阪神へFA移籍。お立ち台で「顔しか取りえがありません」と絶叫し、爆笑を呼ぶ「男前キャラ」で愛された。15年限りで引退。17年から22年まで阪神でコーチを務めた。現役時代は170センチ、80キロ。右投げ右打ち。捕手。

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