阪神が藤浪晋太郎投手(28)のメジャー挑戦を17日、容認した。今オフのポスティングシステムを使用する。兵庫・西宮市の球団事務所で取材に応じた嶌村聡球団本部長(55)の一問一答は以下の通り。

-藤浪選手のポスティング容認の意向については

「いろいろ報道を受けてる通り、神宮球場ですかね、社長と藤浪が囲みを受けさせていただきましたが、シーズン中から話はやっておりまして、阪神球団として藤浪選手のポスティング移籍に関して容認するという結論に達しました」

-球団としても夢を後押しする

「夢を後押しするというか、ここから経緯の話になってくると思うんですけと、契約更改のあたりかな、昨年オフ、12月くらい。藤浪くんの方から『完全なお願いですけれども』ということで彼の方から直接、対面でそういう話をいただきました。彼の方もそういう元々メジャーへの夢があり、やはり10年たってずっと考えていたことを球団の方にぶつけたいということでそういう話が入ってきたと。本人から、完全なるお願いではあるんですけどという前提で、成績残していくというのが一番の…まだチャレンジする、行くと決まったわけではないけど、それが本来の筋ではあるんだけれども何とかお願いできませんか、というところで去年の12月くらいから。一応、私の方からは、藤浪晋太郎という選手は和田監督の時に4球団競合で阪神球団に入団してもらい、3年連続で10勝以上か。3年目の時に14勝7敗という成績を残して、本来ならばもっともっと勝ち星を重ねて堂々たる成績を残している選手であるという思いが今でも強い。やはり思いとしては藤浪というのはもっとできるやつやと。だから君(藤浪)のそういう願望というのはよく分かると、個人・嶌村としては応援したい気持ちはある。ただし、やっぱりチームを預かる身としては、そういう願望というのは、一応こちらの方で耳を傾けさせていただくと、前向きに話をこれからシーズン中にしていこうということで、そのときは終わっております。そして、数回話はしているんですけども、シーズン始まる前に一応、認める認めへんというのはまたシーズン後にするけども、その時のケース・バイ・ケースで藤浪晋太郎をポスティング移籍を認める考えはあるということは伝えました」

-開幕前に

「開幕前に。というのは、そういう気持ちで開幕に臨んでほしいというのもあったから。ただし、それは、そこで本当にそうだよという話ではなくて、シーズン中、シーズン後にもう1回話し合って、いや、私の方から『もうちょっと残れ』とか『もうちょっと頑張りいや』とか、例えば。そういう話をしていくという形で今に至るという感じですね」

-最終的な決定は岡田新監督の意向も聞いたうえか

「すべてにおいて、岡田新監督を含め、すべてのところをひとつひとつ承諾を得ていったという感じです」

-ポスティングでのメジャー移籍は阪神としては少ないケースだが

「井川君の場合、ひとつやっていますので、ケース・バイ・ケースで、全員が全員、それを認めるという形にはならないと思いますんで。藤浪君の場合は、まずもって、なぜ認めたかのひとつは10年間やってくれたこと。本来、彼的にはね、田中君とか前田君のように100勝ぐらいあげて行きたかったと思うけどね。ただ、10年間、イニング数で言うと994。約1000イニング。今年1000奪三振もあげてくれた、というところで、こういうものも踏まえた上で総合的な決断をさせていただいたということです。人それぞれになってくるんで。だからといって前例をつくったとか、今後も認めるかとか、そういうものではないので。そういうふうに考えています」

-開幕前で一区切りつけてシーズン中はそういう話はなかった

「まあ、その辺りの細かいところはちょっと差し控えさせてほしいなと思います」

-シーズン終了後には嶌村本部長からどのような言葉で伝えたのか

「『頑張ってこいよ』みたいな。頑張って、まずは本当に移籍できるように。これは申請するだけで、移籍できるかというのはまた別問題だと思いますので、そのような結果になるといいよねと。そうなったあかつきには本当に成績残してこいという形で。また頑張って、将来、メジャーで頑張って、最後は阪神のユニホーム着てどうやねんと。(藤浪が)『ありがとうございます』という話はしました。」

-万が一、メジャー移籍できない場合は来季阪神で

「それはそうですよ」

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