海を越え、北の大地で夢をかなえる。日本ハムが26日、札幌市内で新入団選手発表会見を行った。カナダから“逆輸入”で入団した育成3位の山口アタル外野手(23=テキサス大タイラー校中退)は、夢が実現し「ものすごく、うれしい。ベスト・シナリオ」と人懐っこい笑顔を見せた。

大渕GM補佐兼スカウト部長からは「最近はやりの“フィジカルモンスター”。入団テストで目立ったのはスイングの音の大きさだった」と、紹介を受けた。今年、投手から外野手に転向したばかり。ルーツである日本でのプロ入りの可能性を探って、12球団にプレー映像を送った。「コネクションがなく、球団ウェブページのファンコーナーにも申し込んだ」。新庄監督が所属する芸能事務所のマネジャーにも「僕を取った方がいい。損はさせません」という内容のメールを送った。入団テストを受けたのは3球団。猛アピールが実った。

ドラフト後、山口の周囲では、日本球界を目指そうかと言い出す選手が出てきたという。大渕同部長は「もし彼が活躍すれば、新しい潮流として、米国の日系人が日本へ来る流れが出来るかもしれない」と期待を寄せた。さらに「愛くるしさ、人を明るくする能力。入団当時の杉谷選手を思い出させる」と今季引退した、球界の元気印の姿に重ねた。【中島宙恵】

○…育成1位藤田 早くも新庄監督のハートをキャッチした。希望の打順、ポジションを問われて「3番ライトで、お願いします」と即答。その姿に指揮官は「3番って言った子も頼もしかったですよ。楽しみですね」とインプット。長打力とバットコントロールの巧みさを併せ持つ、将来の大砲候補は「不動の3番打者として、ファイターズを日本一に導けるような選手になりたい」と誓った。

○…育成2位中山 150キロ前後の直球とフォークが武器の右腕は、新庄監督のように「記憶に残る選手になりたい」と目標を掲げた。釣り好きで「生きた魚をさばくことができます。北海道の新鮮なサケをさばいてみたいです」という珍目標も公言。鳴門で同級生だった河野と同じ立場になるべく、「すぐに支配下、1軍で頑張りたい」。2桁背番号を勝ち取り、北海道でサケとともに、きれいに打者もアウトにさばく。

○…育成4位山本 同学年のライバルに負けじと、早期の支配下登録を目指す。中学時代は阪神湯浅と同僚で、関学大時代は昨年のドラ1左腕、広島黒原と同級生だった。「自分でもまだ伸びしろがあると思っている。ゆくゆくはファンのみなさまが僕のボールを見て、どよめくようなボールを投げたい」。大学の大先輩には同じ左腕の宮西もいる。1軍の舞台で一緒に勝利へ貢献すべく、実力を磨く。

【関連記事】日本ハムニュース一覧