ヤクルトのドラフト4位知内・坂本拓己投手(18)が11月30日、知内町内で仮契約を結んだ。契約金3000万円、年俸500万円(金額は推定)で合意。背番号は56に決まった。最速147キロを誇る奥尻島出身の左腕は、背番号が同じ人気野球漫画「MAJOR(メジャー)」の主人公、茂野吾郎のような投手になることをプロでの目標に掲げた。

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坂本が記者会見場で笑みをこぼした。仮契約で人気野球漫画「MAJOR」の主人公と同じ背番号56に決定。「MAJORが(すぐに)思い浮かんで、茂野吾郎みたいなストレートを投げられるようになりたい」と目標を描いた。会見後には早速、名前と背番号入りのタオルを手に笑顔を見せ続けた。

奥尻島で生まれ育った左腕は、小中学校時代にテレビのアニメ番組でMAJORを見ていた。主人公はオーバースローから100マイルを超える速球を投げる。「球速もそうですけど、球速以上に打者が速く感じるようなストレートを投げられるようになりたい」と意気込んだ。

この日、会見に同席した橿渕聡スカウトグループデスク(48)も現役時代、56番を背負っていた時期がある。「若い子に読まれている漫画MAJORの主人公が56番で左ピッチャー、そういうのをイメージしながら。番号も候補に上がっていたので」と坂本の番号決定の理由を明かした。

坂本は今後、12月上旬に入団発表を控えるなど、本格的に入団へ向けた準備を進めていく。東京には行ったことがなく「東京スカイツリーに行ってみたい」と報道陣を笑わせた。憧れの選手を問われると、通算183勝の左腕石川雅規投手(42)を挙げ「魅力的だなと思っていて、1軍で長く活躍されている選手。自分もそのような選手になりたい。気になったことはどんどん聞いていきたい」と口にした。

契約金3000万円、年俸500万円で合意した。「最初は実感がわかなかったが、日に日に実感がわいてきた。長く1軍で活躍することが目標。小さな野球少年に夢や希望を与えたい」。色紙にも「長く1軍」と記した。目標をかなえるべく一歩ずつ進んでいく。【山崎純一】

◆坂本拓己(さかもと・たくみ) 2004年(平16)7月6日、奥尻町生まれ。奥尻青苗小1年の時に青苗スカイバードで野球を始める。奥尻中では軟式でプレー。知内では1年秋から背番号14でベンチ入り。3年夏の南北海道大会では準優勝に貢献。50メートル走5秒9。遠投110メートル。趣味はサイクリング。目標の選手は楽天・松井裕樹。好きな食べ物は米。好きな有名人は永野芽郁。家族は両親と兄、姉。血液型A。最速は147キロ。球種はカーブ、スライダー、チェンジアップ。180センチ、85キロ。左投げ左打ち。

◆MAJOR 94年から10年まで週刊少年サンデーで連載された野球漫画。作者は満田拓也氏で単行本は78巻発行。主人公の茂野吾郎は右投げだったが、故障で中学生から左投手に転向。高校卒業後は、メジャーリーグで活躍する。度重なる逆境を乗り越える吾郎を中心にストーリーが描かれている。

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