ソフトバンク田中正義投手(28)が、感謝の思いと確かな自信を胸に、来季の大ブレークを誓った。2日に福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、100万円ダウンの年俸1200万円でサイン。5球団競合の16年ドラフト1位右腕が、背水の7年目に挑む。

今季の田中正はローテーション入りをつかみかけていた開幕直前に右肩を負傷。リハビリを経て1軍復帰も、5試合の登板で新型コロナウイルス陽性となり離脱した。「ありがたいの一言。来年も野球をやらせてもらえる。6年間で1勝もしていない。期待に応えたいし、応える自信もある」。ふがいない自分に大きな期待をかけてくれる球団に感謝の言葉を並べた。

今季、初めてつかんだ感覚があった。「ようやく。来年7年目になるんですけど、自分の足でしっかり歩いているような感じがようやく出てきた。いい意味で周りを気にしないで、着実に1歩1歩、進めるんじゃないかな」と独特の表現で話した。

これまで大きな期待に押しつぶされ、周りとの競争にのみ込まれ、焦りもあって故障に泣いたシーズンがあった。今はマイペースに自分と向き合い、投球内容への手応えや秋季キャンプなどでの練習の成果も実感できているという。来季に向けて「先発として挑戦したい。規定投球回を目指して頑張りたいと思います」と、はっきりとした口調で目標を語った。大物ドラ1右腕が、ついに覚醒の時を迎えるか。【山本大地】

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