プロ野球の快記録や珍記録を振り返る連載「データで見る22年」。第3回は広島栗林良吏投手(26)を取り上げます。

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2年目の栗林が31セーブを記録した。昨年は37セーブを挙げており、プロ入り2年連続30セーブ以上は15、16年山崎(DeNA)に次いで2人目だ。山崎の防御率は15年1・92→16年3・59に対し、栗林は21年0・86→22年1・49。防御率2点未満の30セーブを続けたのは14~17年サファテ(ソフトバンク)の4年が最長。2年以上は8人目となり、プロ入り2年連続は初めて。佐々木(横浜)や岩瀬(中日)も防御率2点未満の30セーブは2年連続止まりで、来季は日本人初の3年連続を目指す。

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栗林はヒットを打たれにくい。昨年が171打数23安打の被打率1割3分5厘で、今季は165打数22安打の1割3分3厘。今季は本塁打を1本も許さず、被本塁打0の30セーブは21年スアレス(阪神)以来7人目になる。延べ121人いるシーズン30セーブ以上の中で、栗林の被打率は昨年が5位、今季は4位。上位5傑に栗林の名前が2つあり、被打率1割5分未満で被本塁打0は今季の栗林しかいない。

6月10日西武戦で通算50セーブを達成。プロ2年間で68セーブを記録するも、まだ白星がない。抑えにとっては「勝利」より「セーブ」がうれしいかもしれないが、通算50セーブ到達時に0勝はプロ野球史上初めてだ。リリーフに白星が付くケースは(1)同点で登板し勝ち越し(2)ビハインドで登板し逆転(3)リードを追い付かれてから勝ち越し(逆転)。この2年間、栗林がリードを追い付かれたのは3試合だけで、ビハインドで登板も3試合。同点で登板は19試合あったが、チームが勝ち越せなかった。あと32セーブに迫った通算100セーブとプロ初勝利、どちらを先に記録するだろうか。【伊藤友一】