阪神は17日、来季のスローガン「A.R.E.」を発表した。読み方は「エー アール イー」だが、ローマ字読みをすれば「アレ」。岡田彰布監督(65)が就任後から好んで使い、すでに選手やファンに浸透している「アレ(=優勝)」そのものがスローガンとなった。3つの文字にもそれぞれの意味を持つ。18年ぶりの悲願へ向け、ブレることなく突き進む。
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岡田監督は数ある候補の中から「おーん、これでいこう」と迷わず選んだ。黒縁に黄色のアルファベットが並んだ「A.R.E.」。就任翌日から「優勝」という言葉の代わりに使う「アレ」そのものだった。
「語呂もいいし。アレばっかり、最初から言ってるから。まあ、1年間はね、これを通してね。これに向かって頑張りたい」とボードを手に笑った。
ともに選考した球団営業部企画興行担当次長の阪本三千男(みちお)さん(50)は「ふざけていると思われるかなと思いましたが、意外とすんなりと。一番分かりやすくてインパクトがあると思います」と会心の笑みを見せた。
単純にアレでは面白くない。読み方は「エー アール イー」にした。だが、阪本さんは「ファンの方には、アレって呼んでもらって構いません。当然、アレ、アレと呼ぶのも見越しています」と笑う。18年ぶりの悲願であるアレにしか見えないが、そこに向かうための取り組みや思いをそれぞれ3文字に込めた。
AはAim(エイム)で目標。チーム、個人として目標を定め取り組む。RはRespect(リスペクト)。伝統球団らしくチームの先輩やOBを敬う気持ちを持って取り組む。EのEmpower(エンパワー)は個々のパワーアップ。指揮官が常々求める個々のレベルアップこそがアレにつながるからだ。
岡田監督が初めてユニホームを着た10月24日、円陣でナインに「1年目から優勝するつもりでいる。今日だけは『優勝』と言うけど、明日からは『アレ』目指そうとしか言わん」と熱く「アレ」を使うように求めた。主力だけでなく新入団7選手全員も「アレ」に貢献したいと目標を掲げる。
11月26日のファン感謝デーでは3万8000人の虎党を前に将が「選手全員の力を結集して『アレ』に向かってまい進します! 」と口にした瞬間、スタンドがドッと沸くなど、ファンにもしっかりと浸透している。他の言葉は一切いらない。狙うは「アレ」だけだ。【石橋隆雄】
◆アレ オリックス監督時代の10年、交流戦で選手が意識しすぎないように「優勝」とは言わず「アレ」という表現を使用。コーチや報道陣まで「アレ」と表現し、初優勝を飾った。今回、阪神で第2次政権を指揮するにあたり、選手やファンに向かって何度も伝えた。プレッシャーを和らげるはずの「アレ」が、今や「優勝」を意味する言葉として浸透。選手たちも喜んで使用し、チームに一体感が生まれている。



