西武ドラフト1位の早大・蛭間拓哉外野手(22)が18日、群馬・前橋市内で、中学時代を過ごした前橋桜ボーイズの祝賀会に出席した。
謝辞では涙がこぼれた。父昌久さんは家庭の事情で野球の道を断念していたという。「お父さんは野球をやりたくても…」と口にすると、言葉につまった。「自分には何一つ不自由なくいろいろな事をやらせてくれました。そのおかげで大学に入る時、親のために活躍すると心に誓いました」。あふれ出る涙が止まらなかった。
もちろん感謝するのは、家族だけではない。グラブには「恩返し」の文字を刻んでいる。「いろいろな方に支えられて、ここに自分がいると感じています」と実感を込めた。
滝沢敦史監督が自宅までスカウトに訪れ、その熱意にひかれて前橋桜ボーイズへの入部を決めた。練習は厳しかった。浦和学院への進学が決まって以降は毎回、10キロ走もメニューに組み込まれた。技術、体力はもちろん、自然と「根性」も鍛錬されたという。「土壇場、いざという時も緊張しない」。20年秋の早慶戦では逆転サヨナラ2ランを放つなど勝負強さも備える。「辞めたい」とも思った日もあるが、たしかな今の礎となった。
祝福に訪れた恩師からは、さまざまな期待も受け取った。浦和学院の森士前監督からは「メジャーリーグに行ってほしい」と求められた。ただライオンズジュニア時代を知る西武の元営業部長の島田正博氏からは「ずっと西武に残って欲しい」と懇願された。



