チョーさん、胸借ります! 現役ドラフトで巨人から広島に指名された戸根千明投手(30)が19日、マツダスタジアムで入団会見に臨んだ。

背番号は49に決定。日大、巨人時代の先輩で、今オフに無償トレードで広島から巨人に復帰した長野久義との再戦に向け、「しっかり胸に投げ込んでやろうと思います」と目をギラつかせた。

愛妻の母から贈られたというカープカラーの赤色ネクタイで会見場に登場。「現役ドラフトは初めての試み。第1号になれたことは名誉、誇りに思っていいかな」と笑みを浮かべた後、長野への感謝があふれ出た。移籍が決まると、すぐに報告。「また敵同士になるけど、お互い頑張ろうね」。熱い言葉を交わし合った直後、先輩の優しさがあらためて身に染みた。

「全然知らない番号からいっぱい電話かかってきて(笑い)」。球団関係者だけでなく大瀬良、同学年の磯村らから次々に連絡が届いた。長野の計らいであることは明らかだった。「本当に感謝しています。チョーさんが巨人に帰ってきて喜んでいたら僕が広島に行って、トレードみたいになっちゃったけど…」。まさかの形でユニホームが入れ替わって苦笑い。今年7月には満塁弾を浴びた相手でもあるだけに、再戦を待ちわびた。

巨人1年目に46試合登板するなど、プロ8年間で通算158試合登板を誇る左腕リリーバー。森浦、塹江ら救援左腕勢の負担軽減に期待がかかる。「特に左打者は絶対に抑える自信を持っています。まずはそこを絶対に抑えていきたい」。チームは今季ヤクルト村上に25試合で打率3割4分、13本塁打と打ち込まれたが、「僕は苦手意識は全然ない。数少ない、自分の潜在能力以上を出させてくれる大打者」と頼もしい。

新井監督から投げっぷりを高評価されており、貴重な左腕セットアッパーとして重宝される可能性は十分ある。「身を粉にして頑張りたい」。心機一転、燃えている。【佐井陽介】

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