東都大学野球の中大は21日、東京・八王子市内のグラウンドで練習納めを行った。

コロナ禍を経て、恒例となっていた「駅伝」が復活。5人1組、10チームに分かれ、グラウンド周辺を1人約3キロずつで、タスキ代わりの手袋をつないだ。

最終ランナー、通称「エースたちの5区」は、足自慢の選手たちが激走。デッドヒートを繰り広げ、先頭でグラウンドに戻ってきたDグループの岩本大地投手(3年=石岡一)を、同チームの根本翔吾(3年=習志野)、野呂田漸(1年=秋田中央)、岡部起宗投手(1年=早稲田摂陵)、栗林大知捕手(2年=八王子学園八王子)が笑顔で迎え入れ、全員で手をつないで笑顔で優勝テープを切った。

清水達也監督(58)は「チームとして、つながり、一体感が大事。新チームにはそんな意識を持って欲しかった」と、駅伝復活の理由を明かした。主砲の阪神1位・森下、ヤクルト5位・北村が卒業する来年は、戦い方も変わってくる。「どうしても長打よりも、単打でつなぐパターンになる。そういう思いも込めた」。駅伝で手袋をつなぎ、チームメートを鼓舞。笑顔でゴールするチームメートと抱き合う姿に、目を細めた。

主軸を打つ2選手が抜けても、来年は最速155キロ右腕・エースの西舘勇陽投手(3年=花巻東)がドラフト上位候補と期待されている。西舘は「プロを目指して大学に進学したので」と力を込めた。

春は抑え投手として9試合に登板。守護神として活躍すると、秋は先発で5勝を挙げ、ベストナインを獲得。大学日本代表候補強化合宿にも選ばれた。「今年は結果を残すことができた。イニングも今までの倍を投げることができた。チームに貢献できた1年でした」。

昨秋、クイックでの投球を身につけると、球速アップに安定感も増し急成長。高校の先輩、ブルージェイズ菊池を理想とする選手に掲げ「来年も、防御率1点台を目指し、0点を並べていきたい」と頼もしい言葉を並べた。

新主将に就任した中前祐也内野手(3年=浦和学院)も、西舘に続き堂々プロ志望宣言。「身近な人たちがプロ入りしている。僕も負けたくない」。この3年間、いつも練習をともにしてきた森下翔太外野手(22)が阪神に1位で入団。高校の1つ上の先輩が西武1位の蛭間拓哉外野手(22)。「刺激でしかないです。自分も、という思いが強くなりました」と大きな影響を受けた。アピールするのは、広角に打ち分ける好打と、堅実な守備。「来年は勝負強さを身につけて、首位打者を狙いたい」と、先輩たちに続くつもりだ。

今年は、春は6位で入れ替え戦を戦い1部残留。秋は優勝争いを演じたが、惜しくも2位に。練習納めの駅伝で確認した「つながり」をチームのモットーに。来年こそは、優勝をつかみとる。

他幹部も発表され、副主将に根本、西舘、石井巧内野手(3年=前橋育英)が就任。主務は今年と引き続き、荒井優汰(3年=富山商)が務める。【保坂淑子】