ソフトバンクの新外国人、ウイリアンス・アストゥディーヨ内野手(31=マーリンズ)が、驚愕(きょうがく)の低空弾で魅せた。宮崎春季キャンプ3日目の3日、ランチ特打に登場。44スイングで柵越えは3本だったが、うち2本を低弾道のまま左翼へスタンドインさせた。本拠地ペイペイドームでのテラス弾量産が目に浮かぶ。「亀」の愛称を持つ陽気な新助っ人が、一、三塁争いに割って入る。

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アストゥディーヨは1球1球丁寧にバットを振った。同僚のホーキンス、ガルビスと助っ人トリオでのランチ特打。「シンプルに常に集中して、来たボールに対していいコンタクトができるようにというイメージでやっています」と、広角に鋭い打球を打ち分けた。

衝撃弾が生まれたのは31スイング目だった。そこまでの打球同様に、低く鋭いライナーだった。遊撃手の頭上を越えるほどの高さはあったが、低空のままグングンと伸び、フェンスをギリギリ越えて左翼スタンドに吸い込まれた。39スイング目にも同様に、超速ライナー弾を左翼席に突き刺した。「そういうスタイルの打球が多いと思う。シンプルに、走者を返すという意識で打席に立っています」と、分厚い胸を張るお得意の弾道だ。

メジャー通算は16本塁打にとどまるが、本拠地ペイペイドームが追い風になりそうだ。両翼に設置されたテラス席によって、中距離打者のライナー打球が本塁打になるケースが多い。まだ実際には目にしていないアストゥディーヨだが「ぜひ、そのイメージ通りに打ちたい」とテラス弾量産に思いをはせた。

基本線は三塁と一塁のポジションで栗原や中村晃らとレギュラーを狙う。二塁や外野、捕手でもメジャーで出場経験がある万能野手だ。「ポジションのこだわりはない。監督の言ったポジションで自分がレギュラーを取れれば。それ以上にチームが優勝することが大事。ピースになれるように頑張りたい」。フレキシブルにチームの穴を埋めていく覚悟だ。

愛称は「亀」を意味するスペイン語の「トルトゥーガ」。すでにチームメートとも笑顔でコミュニケーションを取り「明るい性格で、楽しむということをテーマにしている」と溶け込んできた。「トルトゥーガ」が、鷹党を沸かせる日も近そうだ。【山本大地】

○…アストゥディーヨは、ホーキンス、ガルビスとともに人生初の「豆まき」に挑戦した。レクチャーを受けながら「オニハソト!」とかけ声をかけ、報道陣が仮装した鬼に向けて豆を投げた。「面白かった。知らなかったです。こういう文化は(母国のベネズエラには)ないですね」と笑顔だった。

○…テスト入団した新外国人のコートニー・ホーキンス外野手(29=米独立リーグ)が、フリー打撃で4連続を含む柵越えを連発で怪力をアピールした。ガルビス、アストゥディーヨの3人でキャンプ初日からランチタイムに打撃練習を行い、メキメキ調子を上げてきた。「まだ始まったばかり。これから自分の打撃を仕上げて、もっといいものにしていきたい」と意気込み、笑顔で節分の豆まきにも挑戦した。

◆ウイリアンス・アストゥディーヨ 1991年10月14日生まれ、ベネズエラ出身。08年にフィリーズに入団し、18年にツインズでメジャーデビュー。昨季はマーリンズに所属した。主に三塁や一塁、捕手で、投手を含めて遊撃以外8ポジションを守れる。175センチ、102キロ。右投げ右打ち。

◆ソフトバンクの外国人事情 今季の1軍登録は5人までで、ベンチ入りは4人。リリーフを担うオスナ、モイネロは、順当に行けば1軍入りが有力。アストゥディーヨ、ホーキンス、ガルビスの野手3人が、先発候補のガンケルを含めて残り3枠を争う形になりそうだ。

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