昨年、史上最年少で3冠王を獲得したヤクルト村上宗隆(23)を兄に持つ九州学院の村上慶太内野手(3年)が5日、千葉・習志野市内の東都大学リーグ1部の日大に入寮した。制服姿で、熊本から約3時間かけてきたが疲れた様子はなし。初の寮生活にも「お兄ちゃんが東京にいるので心強い」と笑みを浮かべた。

心強い“お守り”を持参してきた。兄から、56本塁打で日本選手シーズン最多本塁打記録を更新して3冠王を達成した昨年モデルのバットをもらった。「4年後は絶対にプロにいってやるという気持ちです」

兄の言葉も大事に抱えていた。昨夏の甲子園3回戦の国学院栃木戦では決勝適時打を放つなど、12年ぶりの8強入りに貢献。10月の栃木国体でも本塁打と存在感を発揮したが、プロ入りはかなわなかった。悔しさが大きかったが、兄から「生かすも殺すも自分次第だから、その気持ちは忘れずにがんばれよ」とメッセージが届いた。気持ちを切り替え、大学野球で再び夢を追う覚悟が決まった。

日大の主戦場は、ヤクルトの本拠地と同じ神宮。兄と同じ舞台で新たな挑戦を始める。「野球をやっている以上は勝ちたいと思っているし、負けたくない」。目標でありライバルでもある兄の背中を“村神様”仕様のバットを手に追いかける。【星夏穂】