「広畑コーヒー石垣島店」が期間限定で営業中です。ロッテ2年目の広畑敦也投手(25)が8日、沖縄・石垣島キャンプ初のシート打撃(ライブBP)で打者4人に計20球、被安打1と好投した。今年のテーマは「リラックス」。チーム宿舎では趣味のコーヒーをいれる本格的な機器を持参し、佐々木朗ら仲間に振る舞って癒やしている。野球では肩の力を抜いた下半身主導の脱力投法を習得中。カフェでもマウンドでも“良い味”を出し、18年ぶり優勝に貢献する。

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石垣島の、とある一室。ドアを開けると、コーヒーの香りが漂ってくる。憩いの部屋のマスターが広畑だ。「いろいろな選手も来てくれるし、その場で野球を含めた話も出来る。ホテルに帰ったらリラックスが大事。オンオフのメリハリも野球につながる」。自宅で使用する約6万円のハンドドリップ式コーヒー機器を持ち込んだ。「豆も2種類でいいかなと思ったんですけど、自分が飲む分がなくなるなと思って4種類を追加で業者に送ってもらいました」。連日の大盛況だ。

帝京大2年時に東京・渋谷区のカフェで飲んだコーヒーがきっかけだった。「『えっ? 本当にコーヒーなの?』って、コーヒーは苦いという概念が消えて、とりこになりました」。ひいた豆をフィルターに入れ、お湯を注ぐのも至福の時。佐々木朗からは、自身と同じ歌手あいみょん好きなところから「あつみょんCafe」と親しまれ、球団公式ユーチューブでも「コーヒー先輩です。ファン感では選手ではなく外でコーヒーをつくってもらって良い」と提案されるほど。佐藤都は「体にス~っと入っていく感じ」と味を表現。コーヒーが苦手な田中楓が「苦さがないものなどバリエーションも豊富」と言えば、横山も「最近はレモンティーのようなコーヒーが出てきます。おいしい」と“人気店”を絶賛する。

本業の野球でもキレの良さを発揮する。この日のメニューはシート打撃。最速154キロの直球とドリップならぬドロップのような縦カーブで打者を封じた。昨季30試合だった登板数を増やすため、今オフは帝京大の先輩でもある阪神青柳のもとで“修業”。「10割で腕を振っていたので、疲れをなくすために効率良くボールを投げること、下半身主導で体重移動するフォームを教えていただきました。まっすぐは良い感じでした」。“リラックス投法”もマスターしつつある。

何事にも全力を注ぐ男の夢は「みんなに喜んでもらえるカフェ経営です」。コーヒーも野球も日本一を目指す。【鎌田直秀】

◆広畑の趣味 昨年1月のロッテ浦和寮の入寮時には自前のギターを持ち込み、報道陣の前で歌手あいみょんの「マリーゴールド」を弾き語りで熱唱。好きな歌手は、あいみょん、スピッツ、アイドルグループ「26時のマスカレイド」。ZOZOマリンでの登場曲にも同アイドルグループの「ハートサングラス」「B dash!」を使用してきた。コーヒー好きで、遠征先にもドリップコーヒーの機器を持参して試合前後に飲む。コーヒー好きのきっかけとなったカフェは東京・渋谷区の「FUGLEN(ふぐれん)」。エチオピア産の豆を中心に世界各地のコーヒー豆を堪能。時には豆をブレンドし「研究者です」と自称する。