ソフトバンクの新外国人コートニー・ホーキンス外野手(29=米独立リーグ)が、宮崎春季キャンプ第2クール最終日の9日、初のシート打撃でローテ候補大関の真っすぐをとらえ、23年のチーム1号弾を放った。別の打席では椎野のカーブを左翼線二塁打にする巧みさも披露。柳田や近藤、牧原大らのほか、若手が群雄割拠する激しい外野バトルで、研究熱心な助っ人が猛アピールだ。

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開幕ローテーション有力候補の大関と対戦した最初の打席。ホーキンスは変化球2球で追い込まれたが、高めに浮いた3球目の直球を見逃さなかった。強振した打球はそのまま左中間フェンスを越える本塁打。190センチ、110キロの体格を誇る長距離砲が悠々とダイヤモンドを1周し、大きな口を開けて豪快に笑った。

昨秋の宮崎キャンプにテスト参加し、持ち前のパワーと研究熱心な姿勢を評価され、入団に至った。この日も「投手によってフォームだったり、いろいろ違いがある。自分の打席だけではなくて、前の打者だったり、他の打者の時にもよく観察している。注意深く見てやっています」と、他の打者の打席にも目を凝らして対戦をイメージ。椎野と対戦した2打席目は「緩いボールがあるのは頭にあった」と、高めのカーブを左翼線に運ぶ二塁打にした。パワーだけでなく、対応力の高さも発揮した。

3打席2安打の上々の滑り出し。「うれしいですけど、今はまだ調整の段階なので。自分のタイミングと打撃を仕上げていくのが最優先です」と浮かれることなく冷静だ。外野争いは柳田や近藤、牧原大らに加え、若手もひしめく大激戦区。「まだ学ばなきゃいないことがたくさんある」と謙虚なスタイルは崩さない。

練習中もチームメートや首脳陣と積極的にコミュニケーションを図っている。「アメリカとはキャンプにしても、野球にしても、投手にしても違う。自分の持ち味は適応すること。文化にしても何にしてもいろんなことを身につけて、慣れていきたい」。貪欲に、日本の野球、ソフトバンクの野球を自分のものにしようとしている。

藤本監督は「すごく研究熱心というか、いろいろ聞いてやってくれている。カーブを引きつけて打ったのも良かったね」と評価。「チームの勝利のためになんでもできることはやりたい」と意気込む優等生助っ人が、外野争いを盛り上げる。【山本大地】

◆コートニー・ホーキンス 1993年11月12日生まれ、米テキサス州出身。12年ドラフト1巡目でホワイトソックスと契約。メジャー経験はなし。昨秋のキャンプにテスト参加し、入団を勝ち取った。パンチ力と柔軟性、そして研究熱心な姿勢で高い評価を得ている。190センチ、111キロ。右投げ右打ち。

○…先発ローテ入りを目指す左腕大関友久(25)が、痛恨の1球で課題を確認した。シート打撃でホーキンスにカウント0-2から外角高めの直球を左中間スタンドに運ばれた。「実戦ではあの配球はないですが、今の自分のボールの強さを確認したかった。高めにいったけど、まだまだ球の強さを出さないといけませんね」。打者11人に投げ、この1発を含めて安打は4本。最速は147キロを計測した。「全体的に良かったと思う。さらに状態を上げていきたい」と引き締めた。

○…FA加入した近藤健介外野手(29=日本ハム)が、初の実戦形式となったシート打撃でマルチ安打を決めた。1本目は大関からライナーで中前にはじき返し、2本目は泉の141キロの球を右前に運んだ。「しっかりタイミングも取れていたし、初めてにしてはよかった。1本目は打球もよかった。2打席目は初球を打ち損じているので、まだ課題があると思う」。泉の初球の真っすぐはファウルで、一振りで仕留められなかった反省も忘れなかった。3打席立ち、四球も選んで全打席出塁。「60(%)くらいできているのかな」。貫禄たっぷりにギアを上げていく。

○…ロッテから新加入のロベルト・オスナ投手(28)が、キャンプで初めて“ブルペン入り”した。甲斐を相手に、まずは捕手が立った状態で約20球。その後、本来の位置より少し前に座った状態で約20球を投じた。オスナとしては、マウンドの傾斜を使って投球動作を確認したキャッチボールの延長の感覚で、まだ「投球練習」には至っていないという。それでも力強いボールは、メジャーでセーブ王経験のある実力を感じさせた。

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