ショートは俺だ! 阪神木浪聖也内野手(28)が23年のチーム1号で遊撃取りを猛アピールした。紅組の「8番遊撃」で出場。2回2死一塁の第1打席。左腕桐敷相手のフルカウントで肩口から入った131キロのスライダーを右翼芝生席に突き刺した。「やっぱり何か印象を残したいなとずっと思っていた。それがあの1打席目になって良かった」。会心の2ランにベンチでも笑みがはじけた。

虎の遊撃バトルは木浪VS小幡の一騎打ちの構図だ。ただ、この日の相手白組のスタメンは二塁中野、遊撃小幡のコンビ。この2人が岡田構想の第1候補で、木浪は追う立ち位置に置かれている。2ランの打席は2死から小幡が失策を犯して巡ってきた。ライバルの“お膳立て”を生かして放ったアピール弾でインパクトは大。岡田監督も「なあ、びっくりしたわ」と口あんぐりの一撃だった。

昨秋から、これまで立てていたバットを肩に担ぐような新フォームに改良。最短でバットを出すことを意識している。前日には岡田監督が「木浪は金属音みたいないい音がする」と評すなど、スイングの鋭さが増している。昨季まで対左投手の通算成績は打率2割7厘、2本塁打(対右投手は通算2割6分)。苦手にしている左投手からの本塁打ということも価値がある。

新人で開幕スタメンを張るなど、入団3年目までは毎年100試合近く出場も、4年目の昨季は出場41試合と低迷した。「継続していくことが大事。明日も結果を残したい」。地獄を味わった男は必死だ。泥臭く諦めず、定位置をつかみ取りにいく。【桝井聡】

阪神ニュース一覧はコチラ>>