うれしい1歩を進んだ。巨人ドラフト1位浅野翔吾外野手(18=高松商)が実戦でプロ初安打をマークした。

4回無死二塁の第2打席。菊地の146キロ直球を捉えた。真ん中高めを強く振り抜いた。打球はライナー性で左翼岡本和の前で弾んだ。「力強い真っすぐに力負けせず、ヒットを打つことができた。先輩方が一緒に喜んでくれたのでうれしくてガッツポーズが出た」と、思わず三塁ベンチに右手を上げた。

紅白戦開始25分前。ベンチ前で1人、バットを構えた。何度も何度も素振りを繰り返し、一心不乱に振った。高校時代のルーティンで集中力を高め、試合へ心身の準備を整えた。初実戦だった11日の紅白戦では「何も分からない状態で余裕もない」と直前までロッカー室にいた。未知なプロの世界で「どう準備していいのか」と戸惑った。2打数無安打。結果が欲しかった。

その日の夜、キャンプ前に自腹で購入したiPadで「浅野翔吾」と検索した。3発を放った甲子園での動画を見た。バットを構える前、元西武カブレラのように背筋を反るルーティンも思い出した。浅かった角度も「高校と同じようにできた」。手に4カ所マメを作り、振り込んできたキャンプ。試行錯誤の末に原点に戻る大切さも学んだ。

チーム方針で沖縄には行かず、2軍キャンプで実戦経験を積んでいく。1歩踏み出した結果に「自分にとってもプラス」。悩み、時には戻りながら、大きく成長する。【上田悠太】

○…2年目の岡田と3年目の中山がともに本塁打で猛アピールした。中山は1回1死、戸郷の151キロ直球を捉え右翼席へ。「ストレートが来るかなと。覚悟を決めて打席に立ちました」と逆風を切り裂く今季の“巨人1号”を放った。岡田も6回2死一、三塁で右翼へ勝ち越し3ランを放ち、紅白戦2試合で6打数3安打。「とにかく結果を出さないと」と覚悟を示した。

【巨人紅白戦詳細】ドラ1浅野翔吾がプロ初安打!塁上でガッツポーズ 中山が戸郷から1発