6年ぶりに阪神指導者に復帰した今岡真訪1軍打撃コーチ(48)が13日、現役時代からの盟友でもある日刊スポーツ評論家・鳥谷敬氏(41)と虎打線について語り合った。上中下の3回に分けてお届けする「05年V戦士対談」。下では現役時代も師事した岡田監督への思いを激白した。【取材・構成=佐井陽介】

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鳥谷氏(以下T) キャンプはこれから後半に入ります。2月のうちにやっておきたいことはありますか?

今岡打撃コーチ(以下I) 現状、本当の意味でポジションを確立している選手はなかなかいない。選手にはそれをプラスにとらえてほしいんです。本当の意味でのレギュラーが多ければ、そういった選手たちは自由にしてもらって、レギュラーメンバーに何かあった時のためにどういう練習をさせておくかがメニューで一番難しい部分になる。ただ、今はある意味、レギュラーが本当に数えるほどしかいないので。

T 本当の意味でのレギュラーとなると、中堅の近本選手、一塁の大山選手、捕手の梅野選手、二塁の中野選手といったところがほぼ確定でしょうか。三塁の佐藤輝選手も普通にいけば出るのでしょうけど。

I 3月の中旬くらいには、監督がこの選手を我慢して使っていくんだろうなというモノがガチッとしてくるでしょうね。この打順、ポジションでいくというね。岡田監督はそういうタイプだと思います。主力どころにはバントをさせない。バントなんか出すぐらいなら外す。間違いなくそういう監督だと思います。現状、外野はセンター以外の2つが決まっていない。そういうチームはなかなかない。外野枠のうち1つを競争するチームは結構あるけど、2つはなかなか珍しい。新しいチームになるだろうなという感じがします。

T 外野争いでは、高山選手なんかもポジションが2つ空いていて、気持ちの変化をかなり感じます。

I 高山の場合、今は状態を把握している段階です。1、2年目までは(コーチとして)見ていたけど、(ロッテ指導期間は)もう何年も見ていなかったので。まずは彼が思っていることを聞いて、それに沿って練習に付き合うという形ですね。彼も今は底というか、それこそ今年ダメだったら…と多分思っている。そういう時の人間には、何でも吸収してやろうという部分が出てくる。だからトリもまたバッティングの方もぜひどんどん教えてほしい。彼には「吸収してやってやろう」という雰囲気がものすごく感じられるので。

T 今岡さんは現役時代、岡田監督のもとでプレーされていました。当時と今とで岡田監督の指揮官像に変化は感じられますか?

I 今の段階では「変わらない」ですね。1回言ったことはブレない。選手に対して「こうだ」と言ったことは変えない。たとえばクリーンアップに据えた選手には、バントをさせたり進塁打を打たせたりは絶対にしない。そういう明確な考えがある。我々が現役でやっていた頃と同じで、選手に対する方針は絶対に変わらないと感じます。

T 実はそれって一番難しいですよね。

I そう。選手に対して言うことが変わる監督も実際いると思う。そう考えたら今、選手はやりやすいんじゃないかな。

T やりやすいと思いますよ。技術が高ければ高いほど。たとえば佐藤輝選手だったら「今日は三塁?右翼?」ではなく三塁だと分かっている。中野選手であれば、二塁で勝負することも分かっている。シーズンが始まっていろいろ流動的になった時でも「ショートがいないからショートに戻す」とは絶対にならない。流動的なところでうまくハマってくれたらいいなとパズルを合わせていくのではなく、先にポンポンと決めて「後はおまえらがしっかりやれよ」となる。そうなると技術がある選手は楽ですよね。一方で、まだ技術が足りない選手からすれば、先にポジションがなくなったりもしますし、簡単ではないかもしれません。ポジションや打順がコロコロ変われば空いているところに入れる可能性も増えるので、少し成績が悪くても出られるかもしれない。でも今年はそんな逃げ道がなくなる。選手としては非常に分かりやすいですけどね。

I なるほどね。

T ダメだったら自分が悪い、と。自分のせいにしやすい環境を整えてくれるから、自分で責任を負いやすくなるとは思います。そういう意味でも、今年も阪神の戦いぶりが楽しみです。今日はお疲れのところ、ありがとうございました!

I こちらこそ、ありがとう! 頑張ります!(完)

◆今岡打撃コーチと鳥谷氏 05年はともに全146試合出場でリーグ制覇に貢献した。今岡コーチは5番打者として打率2割7分9厘、29本塁打、147打点で打点王。入団2年目の鳥谷氏は「2番遊撃」に定着し、2度のサヨナラ弾など打率2割7分8厘、9本塁打。2人は04~09年まで阪神で6年間チームメート。鳥谷氏がロッテに在籍した20、21年は、今岡コーチはロッテ2軍監督、1軍ヘッドコーチだった。昨年はともに日刊スポーツ評論家としても活躍した。

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