日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手(22=日体大)が先頭打者弾を放った。初の1番起用となったオープン戦で阪神西勇の初球を右越えへ運んだ。初の右翼守備も無難にこなして3打数2安打1打点で、対外試合は通算13打数9安打4打点。新庄監督も「12打数13安打?」と混乱するアピールぶりで、7割近い打率を残した。初キャンプでの実戦は、これで終了。開幕スタメンへの前進は止まる気配がない。

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新二刀流が、先制パンチでスタンドの度肝を抜いた。初めて「1番右翼」で先発出場。3点を追う1回、初球だった。阪神西勇のシュートを捉え、打球は右翼ポール際へ吸い込まれる先頭打者アーチとなった。「ちょっと(バットの)先っぽで切れるかなと思ったけど、そのまま入ってくれた」。先頭打者弾は大学1年の秋に2度記録。初球は人生初だった。

3回の第2打席でもB・ケラーから右前打を放ち、暴投で俊足を飛ばして生還するなど、3打数2安打1打点2得点。対外試合の通算成績を13打数9安打4打点とし、新庄監督が「12打数13安打?」と大混乱に陥る活躍ぶり。指揮官は「プロの球を1年目からは、そうは打てない。(打順)1番でテストして、いきなり初球(を本塁打)。ビックリしました。積極性がいい。チームを乗せる」と大満足だ。

矢沢本人は、新庄監督から授かった言葉を肝に銘じている。「大学の時はお山の大将でやってきたんでしょ? プロでも、その気持ちを大切に持ち続けた方がいい。(周囲の選手を)すごいなって思ったら終わりだよ」。日常生活は謙虚に、プレーでは自信を持ってガツガツと。“一流の精神”を学び、ヒットを量産している。

「取材されなくなったら悲しいので、毎回活躍したいと思います」と矢沢。ルーキーに引っ張られた打線は、オープン戦で2戦連続、逆転勝ち。「アピールがひどすぎるね、みんな」と、うれしい悲鳴を上げた新庄監督だが、その中心には間違いなく背番号12がいる。【中島宙恵】

<矢沢の今キャンプ打撃成績>

◆1日・紅白戦 「2番DH」で2打数無安打。途中から右翼守備をこなす

◆5日・紅白戦 「2番DH」で先発し4打数無安打。犠飛で打点1

◆11日・紅白戦 「1番DH」で先発し4打数1安打。実戦9打席目の初安打は田中正からの投手強襲安打

◆12日・練習試合楽天戦 代走での途中出場から2打数1安打。初の対外試合で盗塁を決め、ホームも踏んだ

◆14日・練習試合楽天戦 代打で松井裕から右翼後方の防球ネットに当たる2ラン本塁打

◆19日・練習試合楽天戦 「2番DH」で適時打を含む3安打をマーク。内角球をさばき、すべて右前に放った

◆21日・練習試合中日戦 試合前にブルペンで投球練習した後、7回に代打出場し1打数無安打

◆25日・オープン戦楽天戦 「2番DH」で3打数2安打2得点

※すべて2月

○…万波が阪神とのオープン戦で今季対外試合1号を放った。8回先頭で二保の143キロ直球を右中間に運んだ。実戦での安打は、19日の楽天戦以来5試合ぶり。「自分では納得いく打席は多くても、アピールにつながっていない。ここからもっと、結果もともなっていかないと。スタメンの数を増やしていかないといけない」と気を引き締めた。

○…開幕ローテ入りを狙う高卒3年目左腕の根本が、4回8安打4失点と課題を残した。立ち上がりの1、2回で4失点し「初回の入りが悪い。その後は修正して抑えられたが」と反省。加藤投手コーチは「ボールのキレさえ戻れば十分に先発で期待できる投手の1人。これからもローテで回しますけど、もう少し状態を上げないといけない」と話した。

○…ドラフト2位の金村尚真投手(22=富士大)が6回から3番手でオープン戦初登板し、2回2安打無失点に抑えた。21日の中日との練習試合は、9回に登板し2安打2失点も、この日は6、7回ともに走者を出したが、いずれも併殺で切り抜けた。キャンプは27日が打ち上げ。「(同期の)矢沢も奈良間も結果を残してますし、取り残されないように」と強い口調で話した。

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