プロ野球独立リーグ、BCリーグの新潟は9日、ハードオフ新潟の室内練習場でキャンプインした。監督復帰3シーズン目の橋上秀樹監督(57)は「チーム第一主義」を打ち出した。昨季までは個人能力向上に重点を置いていたが、既存選手のレベルアップに手応え。フォア・ザ・チームでスキルアップを狙いながら、今季はぶっちぎりのリーグ優勝を目指す。リーグは4月8日に開幕する。

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選手たちの輪を前に、橋上監督が指示を与えた。キャンプ初日、トレーニングが始まる前の訓示で約13分間続いた話の締めくくりに言及したのは「優勝」の2文字だった。「今年は圧倒的に勝つくらいで優勝するからね。それだけ期待しているから、君らに。間違いないから。圧倒的に優勝する」。監督復帰3年目の確信。選手たちへの期待の表明だった。

優勝への基本方針も2つのフレーズで示した。「チーム第一主義」「チーム優先主義」だ。過去2年は個人のスキルアップに力を注ぎ、「成長に手応えを感じている」と言う。今季は一段高いレベルを目指して、個人からチームへ方向転換する。勝利のためのプレーで、高いパフォーマンスを要求していく。NPBへの道はフォア・ザ・チームのプレーで大きく開けると指揮官は考えている。「もう1個の夢である、上のステージに行ける可能性は増える」。

新人に移籍選手1人を加えた新加入9人にも厳しい言葉を投げかけた。「このリーグは長いことやるリーグではない。上に行くステージであり、自分自身に区切りをつける場所」とBCリーグは岐路を見極めるリーグと規定した。新戦力の加入で既存選手との競争も激化。個人能力アップのためにも絶好の環境になる。

11日から17日までの高知キャンプは「追い込む。無駄な時間を過ごすことなく、目いっぱいやる」と橋上監督は宣言した。わずか1週間ながら“地獄”のキャンプになる。「1日24時間のほとんどを野球中心にやって欲しい」。指揮官の新加入選手に向けた指示を、全員がかみしめていた。【涌井幹雄】

■藤原大智新主将「勝ちにこだわる」

新主将に就任した藤原大智内野手(23)の顔は決意で引き締まっていた。「今シーズンは勝ちにこだわる」と話したが、NPB入りにもこだわる。昨季は3割3分7厘(ランク5位)の打率を残し、29盗塁(同5位)で俊足も披露した。吉報は届かなかったが、ドラフト候補にも挙がっていた。だからこそ、悔しさを晴らす2年目の戦いを始める。「ひそかに思っているのは支配下で指名されること。『こいつを1軍で使いたい』と思われる選手になりたい」と力強く話した。