売り出し中のルーキーが連日の猛アピールを続けている。DeNAのドラフト3位、林琢真内野手(22=駒大)がソフトバンク戦(ペイペイドーム)に「9番二塁」でフル出場。オープン戦8試合連続安打をマークした。チーム唯一のマルチ安打でダメ押し適時打、盗塁まで成功。複数ポジションの守備も日々そつなくこなし、開幕1軍をぐっとたぐり寄せた。

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打っても守っても走っても、三浦監督が心の中で「いいね」を押す。林は7回先頭で迎えた第3打席、ソフトバンク椎野のカーブを左前へ運んで出塁。「タイミングが合ったらいこうと思っていた」と、続く佐野への初球カーブで二塁を陥れた。

2点リードの8回2死満塁では2ストライクからファウルで粘った。9球目、又吉のカットボールを捉える。「食らい付きました。簡単に終わったら1アウトがもったいないので」と、右前打で5点目を追加。初対戦の投手にも自然体で反応し、7連敗中だったチームの白星に貢献した。

守備は本職の二塁に就いた。強打者、柳田を迎えると気分が高揚した。「すごい打球が来るんだろうなと思って。前進守備の時は今までにない恐ろしさを感じて、いい体験ができました」。時に深く、時に浅いポジショニングで3度柳田の打球を体感した。

WBCが終われば、二塁は牧が戻ってくる。キャンプ中から大学1年秋以来の遊撃を、9日の楽天戦では中堅を、17日のソフトバンク戦では高校時代以来の三塁を守った。内野のグラブは守備位置で変えることはない。「そこを任されたのであれば、全力で守るだけ」。

三浦監督は連日称賛の言葉を贈る。「どの打席でも粘り強くて、どのポジションでも必死にやってくれる。常にいいものを見せてくれてます」。林が目標とする開幕1軍の可能性も「どんどん増えてきてます」と認めた。打順もポジションも、超・ユーティリティーの林には関係ない。【鎌田良美】