日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(41)が25日、MBSテレビの情報番組「せやねん!」に生出演し、WBCで3大会ぶりの世界一に輝いた侍ジャパンを解説した。

まずは決勝米国戦を振り返り、7人継投の妙を分析。「向こうの打者は技術が高い。1回対戦してボールの軌道、どういう変化球なのかを分かった状態で立たれるのが嫌だから、小刻みに継投したのだと思います」と想像した。

さらに4番手で6回の1イニングを完全投球した伊藤に注目。「東京での試合でも要所要所でしっかり投げていた。しびれる場面で投げているけど、メンタルの強さを非常に感じた」と絶賛。「(決勝で救援登板した投手は)大勢投手以外はみんな自チームでは先発。慣れないところでも力を発揮したのが勝てた要因」とたたえた。

さらに1点を追う9回裏に逆転サヨナラ勝ちした準決勝メキシコ戦も解説。9回は先頭3番大谷が初球を強振して二塁打。4番吉田が四球を選んだ後、5番村上が逆転サヨナラ2点二塁打を決めた。

「村上選手はもしかしたら代打を出されるんじゃないかと思っていたはず。そこで『思い切って行ってこい』となって、チームメートからも鼓舞される感じで、さらに初球にどんぴしゃでファウルを打った時に『打てる』と思ったんじゃないか」と想像。「大谷選手が粘ってツーベースだったら、思い切って最初から振れていなかったのでは」と振り返った。

一方で「陰のMVP」には吉田正尚をチョイス。大会MVPは大谷に譲ったが、「村上選手がなかなか打てていない時に吉田選手が打っていた。吉田選手が打っていなかったら試合が終わっていた」。メキシコ戦でボール球をすくい上げて右翼ポール際に同点3ランを決めた場面も振り返り、「あのボールを普通にいい当たりしたらファウル。フィールド内に収められたらライト前、センター前。ホームランできる技術がさすが」と目を丸くした。