98年横浜(現DeNA)の日本一監督で、元中日投手コーチの権藤博氏(84)が、23年セ・リーグのペナントレースを占いました。本音トーク満載、順位つきの大予想をお楽しみください。

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◆権藤博氏のセ・リーグ順位予想

1位DeNA

2位巨人

3位ヤクルト

4位阪神

5位中日

6位広島

今年のセ・リーグ順位予想は例年以上に難しい。どのチームもそれなりの力がある一方、決め手にも欠けています。悩みに悩みましたが、1位にはDeNAを選択しました。

このチームは昨季2位に食い込んだように元々、戦力はあります。そこにサイ・ヤング賞投手のバウアーを獲得。球団あげて「勝つ」という強い意思表示と受け止め、意気込みも買っての1位推しに決めました。ただし、条件があります。捕手の固定化です。嶺井が抜けたことを選手はチャンスととらえ、ベンチは腹をくくって固定起用ができる状況となれば、混戦から抜け出す力は十分あると判断しました。

昨年最下位の中日は5位としました。ただ、このチームは大きく変わる可能性を秘めています。投手陣の安定感は12球団でもトップクラス。課題の攻撃面では若手野手を抜てきする方針が伝わっています。外国人を含め、新規加入の選手たちが期待にこたえる形になると勢いもつくでしょう。広い球場を生かした戦いに徹すれば、勝率5割を維持できるチーム力があるだけに、シーズン前半を射程圏で折り返せば、上位浮上のチャンスはあるはずです。

下馬評の高い阪神を4位としたのはやはり守備力の不安が拭い切れないからです。岡田監督は中野を二塁にコンバートし、一塁大山、三塁佐藤と内野陣を固定化することで安定度を高める構想のようです。この方針は大賛成。ただ、ポイントとなる遊撃を含めて、機能しなければ長いシーズンは勝ち抜けません。充実の投手力に打線もバランスが取れているチーム。守備が安定すれば優勝争いに参戦する可能性は大いにあるでしょう。

総合力では昨年、見事に連覇を達成したヤクルトです。本来なら敬意も表して優勝予想すべきかもしれませんが、3連覇の難しさを優先しました。もっともチーム力の高さは連覇で実証済みです。村上が昨年のような活躍でチームを引っ張り続ければ「独走」といった展開も考えられます。

巨人は懸案の抑えを大勢が担うとなると、後は菅野次第。彼がシーズンを通してエースの仕事をまっとうすることができれば、V奪回を狙える戦力は十分あると思います。広島は難しい転換期を迎えています。とりわけ野手は新戦力の台頭が必要だけに、新井新監督の育成力に期待したいと思います。

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