プロ野球は30日に日本ハム-楽天戦(エスコンフィールド)で開幕。翌31日に他10球団も長いペナントレースのスタートを切ります。日刊スポーツ評論家の順位予想第1弾、パ・リーグ編をお届けします。             

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◆谷繁元信氏のパ・リーグ順位予想

1位オリックス

2位ソフトバンク

3位西武

4位楽天

5位日本ハム

6位ロッテ

パ・リーグは将来性を見た時に楽しみな選手がたくさんいる。素材型の選手が早く力をつけていったチームが上の順位にいく。その傾向がすごく分かれる年になると思う。

オリックスで言えば山下舜平大だ。極端に言えばWBCで1イニングなら全力で行けば、すでに抑えられる能力はある。キャンプ時点では夏場デビューぐらいかと思っていたが、あれだけのものを見せられれば、中嶋監督も開幕から使いたくてしょうがないだろう。山下が山本、宮城ら先発陣に加わり、宇田川、山崎颯ら救援陣も強力。吉田の穴は大きいが、3連覇できる上積みを感じられる。

大補強したソフトバンクは意外と迫力がない。救援陣は強力だが、千賀が抜けた先発陣が物足りない。打線も近藤が加わり、いい左打者がそろうがパンチ力にかける。勝てるチームなので優勝争いはするが、決定的な要素が見えてこない。

日本ハムも昨季よりは落ち着いた野球で最下位を抜け出す可能性がある。狭くなった新球場で清宮は30発を打てる力をつけてきた。リリーフに挑む田中正は先発よりも適性がある。先発で力をセーブするより、全力で投げてストライクゾーンで空振りやファウルが取れる。

ロッテを最下位としたが、日本ハムと大きな差はない。ポランコ、メルセデス、沢村が加わった。伸びしろのある選手も多く、山口は球団の日本人選手では久々の30発(86年落合博満=50本塁打)を打てるか。佐々木も中6日でシーズンを回り、真のエース級になれば順位は大きく変わる。

楽天が読み切れない。メンバー的には力加減が分かる選手が多く、実力通りならAクラスだが、1つ歯車がかみ合わないとズルズル行く。田中将、則本、岸に頼るのではなく、次の世代が出てきて欲しい。早川が成長を想像した感じではない。野手も阿部が加わり、好打者だが、劇的に打線が変わるとは思わない。黒川ら、もう少し固定すればレギュラーに育ちそうな面白い若手もいるが…。

西武は今までのチームカラーと違い、きっちりした野球をしようとしている。森が抜けたが不安材料ではなく、逆に古賀、柘植が成長できるチャンス。先発転向する平良は先発1、2番手の力があるし、ルーキーイヤーは1勝10敗だった隅田も、勝ち星先行できる球を投げている。優勝までの決定打はないが、面白い存在になる。(日刊スポーツ評論家)