中大が亜大に圧勝し、1勝1敗とした。

代打起用のルーキー、伊藤櫂人内野手(1年=大阪桐蔭)が試合を決めた。2-1で迎えた5回1死一、二塁。代打で打席に立つと、フルカウントから真ん中に入ったチェンジアップをフルスイング。打球は、バンテリンドームと同じ左翼100メートル、フェンス4・8メートルを高々と越えた。「打った瞬間、いい当たりで、飛んだと思いました」と笑顔を見せた。

昨年は、春夏の甲子園に出場し、センバツでは2打席連続本塁打を記録。夏は勝負強い打撃で4試合で1本打を含む5割2分9厘と、リードオフマンとして活躍した。勝負強さがウリでU18高校日本代表でも活躍した逸材だ。今カードは1回戦でも代打で出場し、遊ゴロ。大学2試合目にして結果を残し、「甲子園のホームランもうれしかったけど、今日の方が何倍もうれしいです」と、笑みを浮かべた。

2月初旬にチームに合流して以来、先輩たちの勝利への執念、勝ちにこだわる姿勢に圧倒された。「自分もその一員として結果を出したい」。この日は4回から相手が左投手に交代すると、代打のスタンバイ。「いつ声をかけられてもいいように」と、ブルペン近くで投手のフォームに合わせスイングした。「大阪桐蔭の時からやっていることですから」と胸を張った。

泥くさく、執念をもって最後までやり切る。その姿勢は、大阪桐蔭で培ったもの。「1年生なので少しでもチームに貢献できるように、与えられた場面で活躍できるように準備してやっていきたいと思います」。華々しく大学野球をスタートさせた。大学でも日本一を達成するために、力強くバットを振る。【保坂淑子】