21年ぶりの優勝を目指すヤマハが、目標に1歩近づいた。予選A組の3戦目でJFE東日本と対し、3-6と敗戦。しかし2勝1敗の4ポイントとし、同率の同チームやエナジックと並んだ。総失点で3チーム中最少の「7」に抑え、1位で10日の準決勝(対東邦ガス)進出を決めた。主力級投手を温存して予選リーグを突破し、室田信正監督(49)は安堵(あんど)。一方で「勝ちにいきたかったが(若手投手に)まだ力がなかった」と反省も忘れなかった。

負け試合にはなったが、それぞれが経験を積んだ。先発した右腕の近藤卓也(28)は5回を投げて2失点に抑えた。制球にやや苦しんだが、140キロ台連発の投球で攻め込んだ。後を託された若手投手らが失点する中、9回を任されたのは新加入右腕の有本雄大(22)。2死満塁に追い込まれるも、直球中心に勝負し無失点。謙虚に「手ごたえはまだない」と話し、腕の振りの改善で制球力を上げたいと修正点を挙げた。

攻撃では1点ビハインドの4回裏、藤岡康樹内野手(28)が3点本塁打でチームに活力を与えた。内角まん中に入った直球を迷わず振り抜いて右翼へ。先月の関東遠征時、スライディングで左あばら骨付近の筋肉を損傷。完治後、今季の公式戦初出場で存在感を示した。ただチーム全体の安打は相手の「14」に対して「4」と課題を残した。

全員で気持ちを入れ替え、同日の決勝進出を目指す。「まずは準決勝で序盤から攻めたい」と藤岡。指揮官も「しっかり切り替えて臨みたい」とその先の頂点を見据えた。【倉橋徹也】