東北学院大が今季初戦に臨み、東北大に7-3で粘り勝ちした。山中海渡外野手(4年=東北学院大榴ケ岡)が4安打4打点2盗塁し、巨人、西武でプレーした同大OBの星孝典新監督(40)の初陣を白星で飾った。2季連続優勝を狙う仙台大は、宮城教育大に9-0で7回コールド勝ち。今季初登板の相原雄太投手(3年=伊奈学園総合)が5回1安打無失点。小田倉啓介内野手(3年=霞ケ浦)が先制適時打を含む2安打2打点で存在感を見せた。

新体制最初の春を迎えた東北学院大が、12年秋以来の優勝に向けて好発進した。両チームにとって今季を占う大事な初戦は、降雨で両軍計19四死球の難しい試合となったが、4回までに積み上げた5得点を死守。4季連続初戦白星につなげた。星監督は「選手が初戦で硬くなるかなと思ったんですけど、『野球を楽しんでいこうか』という話をしたら本当に楽しんでくれた。その辺は頼もしい限り」と目を細めた。

最初の攻防で主導権を握った。1回無死二、三塁、リーグ戦初打席の山中がフルカウントから9球目、スライダーを流し打ち。先制の2点適時右前打は「チームとしても自分としてもすごく大きなヒットになった」。1死後に二盗し、井上裕策内野手(3年=仙台南)の適時右前打で3点を先制した。同裏は石川岳人投手(3年=石巻西)が2四死球で1死一、二塁のピンチを背負ったが、三振と遊ゴロで無失点。幸先のいいスタートを切った。

優勝回数は東北福祉大の75回に続き、2位の18回を誇るが、近年は仙台大の台頭で苦杯をなめる。西武、楽天で指導者を経験した星監督の就任後は、選手とのミーティングで表れた課題の得点力不足解消を目指し、走力を生かした攻撃を磨いてきた。この日は4盗塁をマークし「しっかり足を使った攻撃ができたので、キャンプから取り組んできた成果がいい結果として出た」と、やりたい野球は表現できた。

2戦先勝勝ち点制のリーグ戦だけに「まだひとつ勝ったばかり」と指揮官。16日の第2日に向けては「練習の成果がしっかり出た部分、やろうとしていることができた部分が多々あったので、この勢いに乗って明日も勝ちきれるように良い雰囲気でいきましょうと話した」。特別な1勝を自信に変える。【相沢孔志】

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<仙台6大学野球:仙台大9-0宮城教育大>◇15日◇第2節第1日◇東北福祉大野球場

仙台大は3年生コンビが快勝に導いた。小田倉は1回無死二塁、2ストライクに追い込まれるとバスター打法に切り替え、しぶとく先制右前適時打。続く3回1死三塁は右中間に適時二塁打を放ち、好機で結果を残した。援護をもらった相原は140キロ台の直球を軸に相手打線を封じ、初めて得点圏に走者を背負った5回2死二塁は奪三振で切り抜けた。8日東北工大戦以来、2試合ぶり複数安打の小田倉は「欲張らないで、目の前の一戦の勝利にこだわりたい」と、勝ち点獲得に気持ちを切り替えた。