15日に雨で中止となった春季リーグの初戦が行われ、福岡大が3-1で久留米大を下し、コロナ禍で中止になった20年を挟む春6連覇へ好発進した。

明豊(大分)で19年センバツ4強メンバーだった藪田源内野手(4年)が2年ぶりに先発し、「7番DH」で先制&決勝の2打点で貢献した。高校通算17本塁打を放ったが、燃え尽き症候群の影響で伸び悩んだ。ラストイヤーに懸ける情熱でけん引した。北九大、九国大も初戦を突破した。

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苦労人の藪田が、最終学年で“開花”した。同点とされた直後の6回2死二塁。張っていた2球目のスライダーを左方向へ運んだ。勝ち越しの適時二塁打。二塁ベース上で両手を突き上げ、これが決勝点となった。4回1死二、三塁でも直球をとらえ、先制の中犠飛を放っていた。春6連覇、集大成の大学ラストイヤーへの思いは強く「最後は絶対、上級生として活躍したい。このままの勢いに乗っていきたい」と意気込んだ。

明豊では1年秋からベンチ入り。19年春の甲子園では「5番右翼」で4強入りし、左腕及川(現阪神)を擁する横浜との1回戦では2安打6打点と暴れた。そのまま福岡大に進学したものの、「高校で燃え尽き、メリハリがつかず2年まで行った」。左足骨折の影響もあって伸び悩んだ。だが、その間に21年センバツ準Vメンバーの主将だった幸(ゆき)修也(2年)ら、明豊の後輩が福岡大に入学してきて「後輩が刺激につながった」。2年春以来、4度目のスタメン出場で存在感を示した。【菊川光一】

○…北九大は延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ちだ。3-4の10回裏1死二、三塁。5番川島泰博内野手(4年=鹿島)がバットを指1本分短く持ってカーブをとらえ、公式戦では人生初という左前2点サヨナラ打を放った。タイブレーク最初の打者、4番吉岩佑馬主将(4年=杵築)から「バントするから決めてくれ」と言われ、「ドキドキだったが決めてやろうと思った」と燃えた。

○…昨秋王者・九国大が苦しみながら初戦をものにした。1-1で迎えた延長10回。無死一、二塁からのタイブレークで、3連打などで一挙5得点した。昨秋MVPの田村晃雅投手(4年=西京)が完封ペースから一転、8回につかまった。だが、10回1死二、三塁で左前適時打の山田創太外野手(4年=福岡第一)は「雰囲気はいい。みんな優勝しようと思っている」と負ける気はなかった。